ミス・ファーブルの蟲ノ荒園 (3) (電撃文庫) 物草純平 藤ちょこ KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-07-10 by G-Tools |
巨大生物〈蟲〉によって変貌した近代。その右目に〈蟲〉の力を宿し秋津慧太郎は、蟲愛づる魔女アンリ・ファーブルたちとともに訪れたパリの地で、自らの秘密を探り始める。しかしその道行で彼らが出会うのは、逃げ切れぬ過去。クロエの、マルティナの前に訪れるそれは、花の都に絶望的な崩壊を呼ぶ歌へと至り
雷鳴の鳴り響く都
蟲と呼ばれる謎の巨大生物により変貌したもう一つの近代の世界で蒸気と蟲と恋が彩るスチームパンク
女の子同士でも問題ないと思うよ! むしろおっぱいさんは、いくとこまでいっちゃえよ!(強制)
花の都パリにやってきた慧太郎とアンリ、クロエがそれぞれ小旅行を楽しんでいるところに、テロ組織<ブリュム・ドゥ・シャール>の幹部総出でのテロ計画に巻き込まれ、事態に翻弄されていく姿が痛ましかった。
役者が続々と舞台に上がってきて、物語が終焉に向かって加速し始めたこの盛り上がり感イイネ!
慧太郎の目に埋まった<蟲天の瞳>の謎解きにお手上げのアンリがパリで訪ねたお方は、いい感じにイッちゃってますね。けどあの時代の天才、偉人たちって、みんなあんなヒャッハー!なイメージだよね。音楽家とか。
女凶手・雪蘭と慧太郎のバトルは、読み応えあったな。これまで<裸蟲>との戦闘シーンって、身体能力頼りの力押しばかりだったけれど、今回はお互いに戦闘技術を持った者同士のいいスタントアクションでした。
そして慧太郎にフラグ立ちまくりのクロエのときめきが可愛らしい。突然、現れた理想の許嫁の存在に心を揺らされて、しかし、理屈や常識では馬鹿げているとわかっていながらも慧太郎に想いを募らせていて、いまだに女の子だと誤解したままなのだれど、いっそ同性でも構わない!とまでの結論に達してしまう思い切りの良さがいいよ、最高だよ。こういう応援したくなるサブヒロイン好き。アンリを交えての三角関係が実に美味しい。
脇役といえば、相変わらずヴィドックは渋い味だしてるし、ボーメスニルの脳筋具合も楽しくて面白いですね、というか、キャラクターが我がなんちゃら家に伝わりし芸術的錬金術使いのあの人まんまじゃないですか。
みずからの上位互換であるラスボスと対峙した慧太郎ですが、まあこれは負けてもしゃーないよね。
今回は物の見事にやられてしまった慧太郎とアンリ、クロエのリベンジに期待しましょう。