男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 (3) ―Time to Pray― (電撃文庫) 時雨沢恵一 黒星紅白 KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-06-10 by G-Tools |
女子高校生で新人声優をしていますが、年上のクラスメイトで売れっ子ライトノベル作家の男子の首を締めています。それが、今の私です。男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。それが今の僕だ。
自分らしさを抱きしめて
高校生ライトノベル作家と女子高生声優の交流を描いた奇妙な物語
また首絞めスタートか。タイトル回収するために毎回してると、バカップルの変態プレイに思えてくる。
男子高校生でライトノベル作家をしている主人公・"僕"と、女子高生で新人声優をしているヒロイン・似鳥が、首絞め殺人未遂事件を乗り越え、徐々に関係を深めていく姿が微笑ましくて甘酸っぱかったです。
綺麗に終わった物語の後日談というか、二人のキャラをさらに掘り下げて新しい方向性に変えたみたいな。
今回になって、似鳥視点の心理描写が交じるようになって、"僕"に憧れている本心を隠して、嫌われないように必死に演技している似鳥さんの乙女な姿がいじらしくて萌える。やっぱりこの娘ヤンデレで愛が重いな。
クラスメイトの佐竹さんに『ヴァイス・ヴァーサ』の話をさせないよう、似鳥と「恋人である」と嘘を言ってしまったせいで、関係がぎゃくしゃくして"僕"は後悔するんですが、似鳥さん大喜びで、なにこの人可愛い。
学校では話さないと決めているせいで、なかなか和解の機会が得られずにやきもきして、"僕"の部屋に遊びに行った時も母親の乱入で有耶無耶になって、新幹線の会話も"僕"の急病でお休みになって、実にじれったい。
ホテルの"僕"の部屋にまで押しかけて、ようやく聞き出した彼の話は、薄々は想像してましたがショッキングでしたね。地雷を踏んだ似鳥が落ち込んでるのに、重い話を暴露してスッキリしてる"僕"は大物だなぁ。
似鳥が自分の見た目を受け入れる前向きなキッカケになってよかったです。演技してない性格は、結構難しそうで繊細なカンジだけど、のほほんとしている"僕"とは似合いかな。カミシロさんのキャラも以外にざっくばらんな姉御肌で小気味よかった。"僕"に憧れるお嬢様の気持ちを快く思わないまでも、なにかと二人の関係をフォローする素振りを見せたりして、味があった。さすがに続きはもうないですよね。次回作はさて何になるのか