ダフロン

2014年06月12日

王手桂香取り! 2/青葉優一

4048666231王手桂香取り! (2) (電撃文庫)
青葉優一 ヤス
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-06-10

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中学校将棋団体戦の東日本代表の座を勝ち取った歩の前に、最も偉大な駒、王の駒娘が現れる。来るべき決勝大会に向け、歩を鍛えてくれるという。そのスパルタンな指導を受け、さらに棋力をあげていく歩。一方では桂香と息抜きのお出かけをして、少しづつ距離を縮めていく。

 歩のように一歩ずつ

 片思いの先輩のために強くなることを目指した少年の恋と将棋にかける青春ストーリー。

 将棋の知識がないと、さっぱりわけがわからないが、それでも登場人物の気迫が伝わって十分に面白い。
 王の駒娘・女王の指導を受けることになった主人公・歩が、日本一を決める中学校将棋団体戦で、憧れの桂香先輩と共にチーム優勝を目指し、中学生最強の棋士を倒すべく成長していく姿が胸を揺さぶられました。
 駒の一手に全力を込め、優勢と劣勢が瞬時に入れ替わる勝負師たちの鬼気迫る駆け引きが熱かった。

 駒娘たちの頂点に君臨する女王のまさに唯我独尊といった高飛車なキャラながら、ケーキが好きで、歩のご先祖に恋をしていたという実は乙女なギャップが萌えますね。女王には頭が上がらない他の駒娘たちですが、スパルタ指導に青息吐息な歩のためにあれこれと助け舟を出してくれて、香車さんなんか小物感すら漂わせてキャラ崩壊してるけど、これまでよりもフリーダムに活動するようになった駒娘たちが人間臭くて可笑しかった。

 歩たちが日本一になるための最大の壁、中学生最強と言われる西日本代表選手・西本を警戒するのですが、将棋の実力だけでなく性格まで完璧なイイ奴で、ぶっちゃけ歩より将棋に一途でカッコイイじゃないかよおい。
 高橋名人もフランクなおじさんだったし、準決勝で戦った相手チームも爽やかだった。将棋が好きな人たちは本当はこういう人ばかりなんでしょうが、前巻のイメージが強かっただけに、勝負が清々しくて素晴らしい。

 歩の成長ぶりがぱないの。しかし、メンタル面ではまだあと一歩というところでしょうか。
 桂香先輩との恋路は、将棋ほど思うように進歩はしませんが、あの娘はあの娘で歩以上の将棋バカなので、イマドキの女の子を相手にするように小細工を弄するよりは、将棋の腕を磨いたほうがよっぽどアピールになるのではと思ったり。次回ペアマッチ将棋大会か、夏だから水着回……はこの作品に限っては必要ないと思うぜ!
posted by 愛咲優詩 at 00:00 | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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