ダフロン

2014年06月10日

ストレンジムーン 3 夢達が眠る宝石箱/渡瀬草一郎

4048666487ストレンジムーン (3) 夢達が眠る宝石箱 (電撃文庫)
渡瀬草一郎 桑島黎音
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-06-10

by G-Tools

"金の記憶の彫金師"リコルドリクと記録者を巡って、対立するキャラバンと皇帝一派――その狭間で戸惑いつつも、月代玲音と仲間達は事態の収拾を目指し奔走する。騒動の中、"女王"の香恋により囚われた玲音は、皇帝一派の拠点において遂にリコルドリクと遭遇するが、不可視のその神は既にモニカの掌中にあった。

 いつか金色の思い出に

 異世界より来たりて超常の力を持つ異形の神と、その力を宿した異能者達が紡ぐ騒乱劇

 えー! 完結しちゃったよ。もっと続けてくれても良かったのに! 3巻で終わりなんて短いよ!
 皇帝一派に捕らえられた主人公・玲音が、敵陣で知恵と機転を駆使して立ち回り、片思いのクレアや妹の香恋、石を宿した友人たちを不毛な争いから救い出すべく、キャラバンとの狭間で奔走する姿が格好良かった。
 マジ天使な幼馴染とヤンデレ妹の三角関係を嗜むリア充ですが、確かにこいつはモテても仕方がないな…。

 迷宮神群リコルドリクを確保し、巫女としてその力を操るモニカに記録者の石を奪われかけた玲音でしたが、皓月に取引を持ちかけ、出し抜くチャンスを窺うところは、彼にしては冴えていて感心しました。
 戦闘力は無いに等しいものの、戦況をひっくり返すキーマンとしての重要性を理解して立ち回る玲音と、皇帝一派、キャラバン派の優勢劣勢が場面ごとに入れ替わり、思惑が絡み合う群像劇となっていくから面白い。

 脱出に成功し、夢路の元へ身を寄せた玲音が仲間と力を合わせて、油断している皇帝一派の裏をかいて不意打ちを仕掛ける急展開は燃えますね。いやそれよりクレアと香恋の修羅場の方が燃えるか。美味しいですね。
 三つ巴の乱戦の中、暴走した皇帝の異能を抑えこむために、命の危険を冒して死地に飛び込む玲音。事態に翻弄されるばかりで戸惑っていた少年が、いつの間にか男気のあるイケメンに成長していたのがよかったです。

 平穏な日常生活を暮らしてるだけではわからないだけで、元から玲音に備わっていた素質なのかもしれませんが、そんな彼の良さをちゃんと見抜いて惚れているクレアと香恋は男を見る目があるなと思いました。
 皓月は惜しかったですね。でもウィスカさんいるから絶対に生きてるでしょあれ。キャラクターの中でも一番哀れな存在だったので、敵でもいいから生きてて欲しい。続編を、この世界観での続編を下さい!

posted by 愛咲優詩 at 00:00 | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。