Add滅びゆく機械のソナタ 仁木 健 角川書店 2007-03 by G-Tools |
【天才科学者カレルが「心を操作される代わりに、能力ある人間になれる」技術を発表し、世界は震撼する。カレルの暗殺を命じられたコウは最後の戦いを誓いジドリアに旅立つ!】
「ありがとう。二人とも、大好きだよ。
愛しているのかは、まだわからないけれど」
その惚気っぷりや良し!w
サイボーグ少年と超能力美幼女の人権問題提起的SF。
ついに人間の思考制御の技術を実用化させたカレル。
コウとアイはさまざまな思いを胸にカレルとの決着へ向かう。
相変わらずコウとアイはラブラブ。なんというか決戦の直前に死亡フラグを立ててまでイチャつきたいんですか、お前ら。
だが、コウのプロポーズに身悶えるアイは俺も見たい!
しかし、カレルは最後の最後まで独善的だったなぁ。
結局、カレルは自分自身を含め、人間というものにオンリーワンの価値を認めなかったんだよね。
だから効率のみを優先して工業生産品にしてしまったと。
まあジドリアみたいな国なら、仕方がないともいえますが、
彼の考えが私には決定的に相容れなかったですね・・・。
思考制御が法的に義務づけられる世界になりましたが、
それは人が人を信じられなくなった社会だろう。
相手の心に鎖をつけて、相手の心を覗き見て、
そこまでしないと信じられない、信頼が得られない。
それが正しい人間関係って言えるのかな。
人間と無機人が平等になるといっても、無機人を思考制御から開放するという方法はとらないんだな。
自分を縛るのはあくまでも自分であるべきだろう。
それで犯罪が起こるのは、人間が不完全な存在だから。
思考制御の技術で人間の醜い部分に蓋をしても、
決してそれが消えたわけでも克服したわけでもない。
一時的に問題を先送りにしても、いつかはその人間の歪みと向き合っていかないんじゃないかね。
人間性というものを真っ向から問いかける哲学的なテーマ。
それは置いといて、無表情ロリがデレデレなシリーズだった。
ただイマイチ人気が出なかったのが残念でしたな。
やはり2巻でのアイの二重人格キャラへの華麗な転進についていけなかったか、あるいはラスボスが意識体なんちゃらという3、4巻がネックだったか。
その山をすぎればあとはパライソですよ、お客さん。
とにかくアイの驚異的な可愛さがすべてだった。
仁木先生、ありがとう。素晴らしいロリをありがとう。
そして次シリーズも、ロリを、ロリを、ロリをッ!!