マジカルデスゲーム(2) 反証のアーギュメント (ファンタジア文庫) うれま 庄司 CUTEG KADOKAWA/富士見書房 2014-05-20 by G-Tools |
誰でも魔法少女になれる世界。心優しい魔法少女・愛葉レナは、他の魔法少女たちと共に魔法空間に閉じ込められる。そこで始まったのは“魔女の裁判”―紛れ込んだ一人の魔女をあぶり出すまで終わらない、残酷なデスゲーム。投票で、ルール違反で、あるいは魔女に殺されて、罪なき魔法少女たちが命を落としていく
真実の言葉が魔女を裁く
閉鎖空間の中で魔法少女たちが生き残りを賭けて殺し合いを繰り広げるリリカルデスゲーム
おお、今回はちゃんと犯人探しと推理をしてミステリしてました。こういう駆け引きが読みたかったのだ!
八人まで絞られた魔法少女たちが、それぞれ魔女探しや殺し合いに生き残る道を見出し行動するなか、主人公レナだけが不毛なゲームを止める方法を模索して、疑心暗鬼に揺れながらもがき続ける姿がメシウマでした。
可愛い魔法少女のフリをして女はみんな魔女なんだということが改めて思い知らされた、だがそれもいい。
かけがえのない親友を失い悲嘆と絶望に打ちのめされながら、生き残るために凶行に奔るリリアンヌの境遇が哀れですね。相手を殺してはならないという<魔法少女の誓い>が機能していないことに気づき、否応にも周囲の対立と猜疑心とが高まり、さらに事態が殺伐として緊張感が張り詰めていく状況から目が離せない。
助けられる余裕など無いのに助けようとして助けられず、一人傷つくレナの優しさがもどかしい。
フブキとレナの出会いの回想シーンは泣ける。優しいことは確かに美徳なのだけれど、時と場合によりけりでレナが他に優しくするだけフブキの負担になっていくのは見てて辛いですね。こんなところに来てなければ。
残り三人となった最後の"魔女の裁判"で明かされたこれまでの事件の謎解きには成る程と思ったけど、投票前でやっておけば……。あと魔女の優位性を考えると投票で50%になる前に殺しに行ったほうが確実性高いかと。
前巻の議論は心証のなすりつけ合いに終始してしまって、どうかなーと思っていましたが、人数が絞られてきた今回は推理が錯綜して面白かったです。本来の人狼でもゲームの最初のうちは情報がないので、まあカンで投票するしかないことはよくあるのですが、そこは魔法を活用した鑑識、検証作業を見せて欲しかったなと。
続きはないんでしょうか。次のゲームを始めましょうよ。終わりなきデスゲームよウエルカム。