東京レイヴンズ11change:unchange (富士見ファンタジア文庫) あざの 耕平 KADOKAWA/富士見書房 2014-04-19 by G-Tools |
新年、東京。春虎を追い続ける夏目は、久しぶりにこの街に帰ってきた。呪術界を揺るがしたあの夜から一年半。かつての仲間たちの現状が気になりながらも、会えば迷惑をかけると己を律する夏目に、秋乃の素朴な言葉が突き刺さる。「夏目はいいの?友達に会えなくていいの?」
空は分かれど、絆は絶てず
陰陽師見習いの少女とその式神になった少年が繰り広げるオカルティックファンタジー。
表紙の主人公二人が一番活躍してねぇな……。庭先で焼き肉食ってただけじゃないですかー!
春虎を追いかけ一年半ぶりに東京へと帰ってきた夏目と、離れ離れになったあの日から修行を続けていた天馬や京子、冬児、鈴鹿、かつての仲間の成長した姿と変わらない友情にこころ温まりました。
レギュラーメンバーが出揃い始め、再始動にむけて徐々にエンジンの回転数が上がってきました。
指名手配されている春虎の影を追いかけ東京に戻ってきたものの、みずからもお尋ね者の身である夏目はかつての旧友たちと気軽に会いにいくこともできなくて、それでも懐かしさや寂しさを募らせる姿がもどかしい。
夏目からの手紙を受け取った天馬が、交流を絶っていた仲間たちに彼女の帰還を知らせるべく、監視の目をかいくぐり活動しはじめるのですが、凡人なれど誰も予想もつかない方法を実行してのけるところが侮れない。
父である倉橋源司に悟られぬよう「星読み」として修行を積む京子、敵地の真っ只中に飛び込んで孤独に研究を進める鈴鹿、そして冬児は意外な人に教えてもらってるなぁと、それぞれの現状に驚いたり感心したり。
彼らとは別に大友先生は、闇堕ちしても相変わらず飄々とした態度を崩さず、呪捜官として追いかける小暮さんを翻弄してて余裕だなぁ。これには激おこだわ。むしろ小暮さんのほうが周囲の被害広げてるんじゃ……。
夏目が知らされた出生の秘密は、彼女には酷な真実だったけれども、大人たちが春虎と夏目を交換したのも本当は過去のしがらみに囚われずに生きて欲しいという親たちの願い故の行動だったんじゃないかと思います。
前回は夏目のお話、今回は仲間たちのお話、では次は春虎ですよね……第二部は夏目視点での展開だと…女の子や友達に辛い想いをさせて、アイツはいったいドコで何をやってるんだと春虎株が下がっていくぞ!