灰と幻想のグリムガル level.3 思い通りに行かないのが世の中だと割り切るしかなくても (オーバーラップ文庫) 十文字青 白井鋭利 オーバーラップ 2014-03-25 by G-Tools |
思わぬ活躍で有名になったハルヒロと仲間たち。自信を付けた仲間たちと、悩み続けるハルヒロのもとに後輩となる義勇兵達が現れる。そこにはハルヒロの記憶に残る名前を持った少女もいた。そんななか、オルタナの街はオークたちの居座るデッドヘッド監視砦の奪還に向けて動き出していた。
勝利の流れを掴みとれ
記憶喪失のまま異世界に飛ばされた少年少女たちが生き残るための冒険を始めるファンタジー
この戦いが終わったら自分の店を開くんだとか、フラグすぎて釣りだろと思ってたらまさかきたー!
人類の生存圏を脅かすオーク砦への大規模侵攻作戦が告知され、報酬に釣られてチーム・ハルヒロも参戦することになり、チーム・レンジや熟練の義勇兵たちが入り乱れての死闘が手に汗握りました。
どんなに強くなっても一寸先は闇。一瞬たりとも気を抜けない戦いのスリルと興奮が病みつきになる。
デットスポットを倒し、新しくスキルを得て、着実に強くなってきているチーム・ハルヒロの面々が頼もしく、リーダーとしても仲間のこと、先々のことを考えられるようになったきたハルヒロの成長が誇らしい。
元の世界で幼馴染であった少女チョコと再会し、記憶がなくともお互いに感覚でそれとなく意識し合う姿が切なく目に映りました。この異世界に連れてきて記憶を消し去った神だか、システムだかの存在が憎い。
周囲に仲間の義勇兵が溢れかえっているとはいえ、初対戦のオークにも対応できて後輩のフォローまでできるようになってるのは、チームワークやお互いの信頼があってこそだと思いますね。周囲の勢いに流されたとはいえ、敵地に乗り込んで立派に戦力として渡り合えてていて、もう一人前の義勇兵と言っても過言ではない。
弱い弱いと言われながらも、即死攻撃を身につけつつあるハルヒロって、とんでもなくチートなのでは?
ハルヒロだけでなくモグゾーやランタ、ユメ、シホル、メリィも奮戦して大健闘を見せて満足していたのに、最後の最後で落とし穴が待ち構えていて、リアルで「うわあああああ!!!」と叫んでしまいましたよ。
戦争じゃ、いい奴から死んでいくんだ(いっそ、ランタが死ねばよかったのに)、もうすでに十分な悲哀は味わいましたし、これは勘弁してくださいよ……。悲しみのどん底からしばらく立ち直れそうにない。