烈風の魔札使(マージ)と召喚戦争 3 (オーバーラップ文庫) 森田季節 クロサワテツ オーバーラップ 2014-03-22 by G-Tools |
新王アルティア率いるサクラッド王国は北方のタシュク帝国とぶつかった。だが、敵国も日本出身のトップランカー、愛甲漣雅が控えていた。エイジは漣雅の強烈なコンボデッキに敗れて死んでしまい、戦争も大敗を喫してしまう。しかし、死んだはずのエイジはなぜか日本で無傷のまま、目覚めることになった。
風と炎の英雄戦争
異世界に召喚されたTCGプレイヤーが戦乱のなかで英雄へと駆け上がる戦記ファンタジー。
この帯のネタバレっぷりである。あかんて。例によって、いつまでもネタにされ続けるんだろうなぁ。
タシェク帝国の宣戦布告を受けたサクラッド王国ですが、帝国の秘密兵器・愛甲漣雅に主人公・エイジが敗れ、追い詰められていく戦況のなかで、エイジの復活を信じて耐え忍ぶ少女たちの姿が健気でいじらしかった。
ついに自分よりも強い相手と遭遇したエイジ、果たして目の前に立ちはだかる壁を越えられるのか。
サクラッド王国を一つにまとめ上げた英雄として名が鳴り響き、縁談の誘いが後を絶たないエイジのモテっぷりが天井知らずですが、タシュク帝国との会談が物別れに終わり、一転して殺伐とした戦争へと陥っていく急展開には、唖然とさせられます。戦場で遭遇した第7位のトップランカー・愛甲漣雅のコンボに為す術もなくやられてしまったのは実力の差というよりも、あれは一種の初見殺しなので仕方ないと思えましたね。
精神の欠片の残りを依代に地球で目覚め、幼馴染・高坂ひたきに匿われたエイジですが、こんな子に想われていたのに、なんの未練もなく異世界行きを決めたのかと思うとバカなの死ぬの……死んでたなそういや。
異世界ではエイジの復活を信じて、リッカやアルティアたちが帝国軍と愛甲漣雅の猛攻撃に多くの犠牲を払いながらも負けない戦いを強いられて、どっちの世界でも女の子を泣かせてて、つくづくクズだなぁ。
今回の無限点コンボのようなハメプレイは現実のTCGでも稀によくあります。でも、すぐに大会で禁止カードになったり、対抗カードが出て、実戦では机上の空論で使えなかったりするんですけれどね。ルール無用のネオアルカディアでは現役か。しかし、どんなに強いコンボも手の内のバレているデッキでは勝てないのがTCG。
次回、地球で新しいカード知識を得て帰ってきたエイジのリベンジマッチに期待しましょう。