ダフロン

2014年03月14日

さくらコンタクト route A 小河桃子/七月隆文

4800223229さくらコンタクト route A 小河桃子 (このライトノベルがすごい!文庫)
七月 隆文 三嶋 くろね
宝島社 2014-03-10

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高校生・桜木春彦は今日も幼馴染の桃子に起こされる。新学期―春彦は、桃子と引きこもり妹・咲耶との登校途中、花蒔町に伝わる“桜の伝説”を成就させ、その御利益でモテモテのフラグ体質になってしまう!直後、桃子が“未来予知”という中二能力に覚醒し、春彦のギャルゲ物語をジャンルごと終了させてしまう!

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 伝説の桜の恋物語

 ギャルゲ少年に訪れた奇妙で不気味で、ほんのりと甘酸っぱいラブストーリー。

 ひさしく忘れていたツンデレ幼馴染の素晴らしさを思い出した。いやぁ、幼馴染もまだイケるな。
 街に伝わる"伝説の桜"を咲かせたことで、モテ期が到来した男子高校生・春彦が、幼馴染の桃子と共に不思議な体験を経て、それまでの関係を改め、自分の中の秘めた思いに気づいていく姿にときめきました。
 いまどき珍しいくらいのストレートな純愛もの。雑味のないピュアな味のわかる玄人にこそオススメ。

 いたって平凡な少年の春彦が、新学期早々、街に伝わる恋の伝説を達成してしまい、一躍、有名人になり、女子陣からは意識されまくりという、恋愛運ストップ高の羨まシチュエーションなのですが、幼馴染の桃子には女の子たちにチヤホヤされるのが我慢ならなくて、いままでと態度の変わらないツンデレぶりが微笑ましい。
 伝説達成者となっても、特別な事は無く、日常が過ぎていくかに思えた矢先に起きた急展開に驚きました。

 桃子が発現した"未来予知"により、桃子が、あるいは桃子と春彦が二人して死んでしまう未来を回避するため、協力して未来予知と異なる行動を取って死の運命から逃れていくのだけれど、回避しても回避してもすぐに別の予知が発動して、次第に余裕を失って精神的に追い詰められていく桃子の姿が読んでいて辛かった。
 桃子の本心を知って、彼女のために自分が犠牲になる決意をする春彦の勇気は、まさしく愛だなぁ。

 二人が探していた"未来予知"を止めるための条件は、実に下らなくて……盛大にノロケられたぜ。
 いやいや、悩んで苦しんでいたのにそれでも肝心な事を桃子が黙っていた理由は、すごく可愛らしくて、もうそれだけでもこのヒロイン萌える! 幼馴染っていいなぁと感心させられるから、十分にイイ話。
 不満といえば、妹が後半完全にモブ化してしまったのが残念でしたね。日日日偏では話に絡んでくるのか?
posted by 愛咲優詩 at 00:00 | TrackBack(0) | このライトノベルがすごい!文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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