ダフロン

2014年02月03日

リーガル・ファンタジー 1 勇者弾劾裁判/羽田遼亮

4047293997リーガル・ファンタジー 1 勇者弾劾裁判 (ファミ通文庫)
羽田遼亮 三弥カズトモ
KADOKAWA/エンターブレイン 2014-01-30

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勇者の功績により聖魔戦争が終結して三百年。正義の弁護士を目指す少女フィオナは名門法律事務所の門を叩くも、守銭奴である所長への反感から、事務所を鞍替えすることに。だが、法廷デビュー戦で対するは、スミオ・マリアヘルその人だった!彼女は敗れ、結局はスミオの元でこき使われることに。

 法廷に正義はない

 正義に燃える見習い弁護士と最強の『法廷の魔女』のコンビが挑む裁判ファンタジー。

 かつてここまで人々から忌み嫌われた勇者がいただろうか。そして正義の人間なんてひとりとしていねぇ!
 法学校を卒業したばかりの見習い弁護士・フィオナが、『法廷の魔女』と呼ばれる敏腕弁護士・スミオと共に、勝算の薄い救国の勇者の弾劾裁判に挑み、裁判が進むにつれ見えてくる家族の絆が胸に迫りました。
 ファンタジーやRPGでお馴染みの剣と魔法の世界を法律で捉え直したらという視点がユニークでした。

 弱者の味方となる正義の弁護士を夢見ていたものの、憧れていた女弁護士スミオの実像は守銭奴で唯我独尊な女王様。そんな彼女に借金の証文を取られ、下僕のように振り回されるフィオナの働きぶりが愉快です。
 法はあっても正義なんてないのがプロの法律家の世界、その中でも依頼人から高額の依頼料を受け取って、裁判に勝つためなら証人への賄賂や証拠の偽造は当たり前のスミオの突き抜けた悪徳弁護士ぶりがいっそ痛快。

 そんなスミオとフィオナが弁護しなければならない勇者アルスは、魔王と和睦を結んだ300年前から不老不死となって今でも生きてるものの、酒と女にだらしないロクデナシで、ヘイトが溜まって仕方が無かったです。
 いたるところで子供を作っては育児放棄を繰り返すダメ父親への恨みから、彼の国外追放を求める検事や、殺しにきた魔族の娘など、子孫たちの境遇に共感してしまいました。むしろ奴の無責任を訴えようよ!

 ファンタジー世界での裁判闘争ドラマだと思ったら、キャラ全員悪人のピカレスクロマンだった。と思ったら家族ものだった。何を言ってるのかわからねーと思うが、多分、家族のすれ違いの愛憎を描いた感動話(?)
 娘や息子たちは人間のデキた人たちなのに、勇者の存在で感動が台無しだよ! 平和になった世界に勇者はいらなかったんや! さて、次回はいったいどんな弁護を引き受けるのか、ヒロインたちの悪巧みが見てみたい。
posted by 愛咲優詩 at 00:00 | TrackBack(0) | ファミ通文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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