城ヶ崎奈央と電撃文庫作家になるための10のメソッド 五十嵐雄策 翠燕 KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-01-10 by G-Tools |
「ライトノベル作家になりたいの…っ」それが、明るく前向きで何事にも一生懸命な女子高生・城ヶ崎奈央の夢だった。一ノ瀬渉が奈央の秘密を知った時、電撃文庫作家を目指す闘いの日々が始まる。渉が同居している従姉の編集者(通称・トメ姉)から学び、短編や長編を書く上で大事なポイントを知っていく奈央たち。
城ヶ崎奈央の秘密
ラノベ作家に憧れるヒロインを応援する少年の青春ラブストーリー
電撃文庫作家になるための公式ハウツー本、に見せかけたバカップルの激甘ラブコメディだった。
クラスのアイドル的存在・城ヶ崎奈央の秘密を偶然知ってしまった主人公・渉が、ライトノベル作家を目指す彼女の手助けや応援をしつつ絆を深め、夢に向かって全力疾走している姿が活き活きと爽やかで楽しかった。
ワナビには今更ですが、小説の執筆に興味のある学生さんは読んでおいたらいいんじゃないでしょうか。
実はガチのラノベ読者で、ラノベのことになると我を忘れて夢中になってしまう奈央の熱意が微笑ましく、本気でラノベ作家に憧れる純粋な気持ちが可愛らしかった。ラノベ読者からしてみれば理想の女の子ですよ!
比べると渉は、編集者の従姉のコネを持っているだけでラノベに詳しくないのに、取材や調査で奈央の執筆活動をサポートしているうちにデートにいったり、部屋に入り浸ったり、親しくなっていく様子が美味しいな。
電撃文庫作家になるためのメソッドですが、これはネットでちょっとググれば出てくるような基本情報なので、創作論や実践的なテクニックを期待していると肩透かしに遭うかな。三木さん和田さんの創作論やアドバイスはためになる教訓ばかりなので、そこだけは注目の価値ありです。まあTwitterの呟きをチェックしていると、創作論っぽいことはよく話しておられるので、作家志望者はそちらも参考にして欲しいですね。
ただこれを読んだ中高生が小説を書いていきなり電撃大賞に応募してくるのは無謀の極みだと思いますね。
まずネット小説の投稿から初めて、読者の反応を見つつ、自分の実力を磨いてから挑戦したらいいんじゃないかな。他人に読んでもらうというのは大切ですよ。誰だって料理を作ったら味見ぐらいするでしょう。
作家を目指し、第一歩を踏み出した奈央と渉の今後が気になりますが、イチャイチャも注目したいところ。