![]() | 秋葉原ダンジョン冒険奇譚 1 (オーバーラップ文庫) 中野くみん 桑島黎音 オーバーラップ 2013-12-21 by G-Tools |
秋葉原ダンジョン―それはラジ館跡地に突如出現した新興ダンジョンである。ダンジョン内部はマナに満ち、銃火器、精密機器が作動せず、魔法が存在する魔訶不思議な空間。そのダンジョンに新たな発見とスリルを求める“冒険者”たちは、日がな探索に明け暮れていた―。
ダンジョンへ、お帰りなさいませ冒険者様
秋葉原にあるダンジョンを舞台に、日常とファンタジーの交錯する新感覚ヒロイックサーガ。
男ならダンジョンに行け。冒険者が不人気職とか、この世界の男どもは夢やロマンが欠けている……。
秋葉原に出現したダンジョンに潜り、一攫千金を夢見る新米冒険者・祥真が、ダンジョンに眠る秘薬を求めて外国からやってきた王女・アーシェラと出会い、仲間たちと成長していく光景が微笑ましかったです。
ゲーム要素は薄め。レベル制・スキル制ではなく装備制のゲームシステムか。これなんてモン○ン。
天然で無自覚に女ったらしな祥真と親分肌で面倒見の良い莉央、そして仲間に加わった純真一途な王女アーシェラ、真面目で不器用な女騎士クリストールと、好感が持てるキャラたちの掛け合いが楽しかったです。
身体能力に優れる他のメンバーの足手まといにならないよう、魔法使いになる選択をしたアーシェラの、自分を犠牲にしてでも魔法習得にかける決意が胸を打ちましたね。俺の使いなって腕一本差し出す祥真、軽いな!
パーティとして息が合い始め、ハイスピードでダンジョンの階層を攻略していく祥真たちだけれど、順調に回り始めた矢先にアーシェラたちの真の望みを知って、パーティ解散を迫られてしまうのは物寂しかった。
異常事態発生中のダンジョンに迷い込んだクラスメイトを助け出すため、躊躇いもせず命がけの無謀なダンジョンアタックに挑む4人の姿に胸が熱くなった。無茶苦茶だけれどお互いを信じた戦いぶりに興奮しました。
まあでも、これ秋葉原である意味あんのかなって。読者も馴染み深い場所だからわかりやすいって理由もあるけれど、話の場面はほぼ異世界のダンジョン内だし、秋葉原である設定を活かしきれてないのが勿体ない。
祥真の特異性も、曰くありげな書き方をしておいて最後まで明かされねーし、アーシェラやクリストールともフラグだけ立ってるのにイベントが進まず中途半端な感。キャラ紹介の一巻目としては十分な出来か?