エロマンガ先生 妹と開かずの間 (電撃文庫) 伏見つかさ かんざきひろ アスキー・メディアワークス 2013-12-10 by G-Tools |
高校生兼ラノベ作家の俺・和泉マサムネには、引きこもりの妹がいる。和泉紗霧。一年前に妹になったあいつは、まったく部屋から出てこない。今日も床をドンドンして、俺に食事を用意させやがる。こんな関係『兄妹』じゃないぜ。なんとか自発的に部屋から出てきてもらいたい。俺たちは二人きりの『家族』なんだから―。
作家が絵師に恋をした
ラノベ作家の兄とイラストレーターの妹が繰り広げる兄妹ラブコメディ。
俺の妹がこんなにエロかわいい。妹が好きすぎるお兄ちゃんの妹愛が弾けてこっ恥ずかしいわー。
高校生で現役ラノベ作家の主人公・正宗と、彼のラノベのイラストを担当している血の繋がらない義妹・紗霧が、プロとして創作活動を通じたドタバタを繰り広げながら新しい絆を結んでいく姿が心温まりました。
ラノベ小説家という職業特有のあるあるネタが満載で、業界の裏事情を垣間見れるかもしれない(?)
正宗が作家と絵師として長年コンビを組んでラノベを作ってきた人気イラストレーターのエロマンガ先生が、実は引きこもりの紗霧だということを偶然に知って、義兄妹の隔たれていた距離が次第に埋まっていくのですが、描く画風がエロかわいいだけでなく、紗霧たん本人もとんでもなくエロ可愛いくて、儚げな銀髪美少女なのに引きこもりでコミュ障、感情の起伏が激しくて考えがすぐに顔に出るところが、なにこの可愛い生き物。
売れっ子作家の山田エルフとエロマンガ先生に挿絵を描いてもらう権利を巡って戦いになるのですが、編集者や絵師本人を置いておいて、作家二人だけでライバル心がヒートアップしていく光景が可笑しい。
作家としてのスタンスの違いで口喧嘩はするけれども、同業者として認め合っていくところが微笑ましく、しかし、それが誤解を産んで紗霧に避けられ、あちらを立てればこちらが立たずなジレンマがもどかしかった。
「兄は妹に恋なんてしない」といいつつ、誰がどうみても紗霧に激甘な正宗の振る舞いが恥ずかしすぎて読んでいるこちらが耐え切れない。可愛い妹への想いと、エロマンガ先生へのリスペクトが入り混じっておかしなハイテンションになってしまってる正宗が痛すぎてむず痒いんだけれど、一途で真摯な姿に応援したくなりました。見事にフラれてしまった正宗だけれど、好きな人が実は正宗だったという展開なんだろうなと裏読み。