![]() | 滅葬のエルフリーデ (電撃文庫) 茜屋まつり mamuru アスキー・メディアワークス 2013-12-10 by G-Tools |
首都圏を含む地域が、ある日突然“海”になった。この災害によってできた海、江戸海に浮かぶ軍艦学園に通う吉岡峰介は、かつてはオンライン対戦ゲーム、シュラフトの名プレイヤーとして名を馳せていた。彼はクラスメイトのエルフリーデと共に、学園で開催される海戦バトルトーナメントに参加することになり
心と生きて今を戦え
艦隊となる少女たちを指揮して戦い世界を滅亡から救う青春学園バトルストーリー
絶対命令権とかもらっても、同人誌みたいなことにしか使い道がないと思うのは私だけですかそうですか。
オンライン海戦ゲームの名プレイヤーでありながら、相棒を亡くしたことで戦いから遠ざかっていた主人公・吉岡峰介が、世界を滅亡から救うため、ヒロインたちの司令官となって再び立ち上がる姿が燃えました。
やってることは艦なんとか。いま流行の艦なんとか。鎮守府にお勤めの提督が兼業の方、必見です。
勝利のためには犠牲を厭わない『理路整然の悪魔』と恐れられた怜悧な頭脳の持ち主・峰介と、ハイスペックな未来艦に変身できるが脳天気でアホの子のエルフリーデの凸凹カップルの掛け合いが可笑しかったです。
強引な押しに負けてエルフのコマンダーとなったものの、無駄使いで時代遅れの改装をしている役立たずのゴミシップで、頼りない味方と少ない資金をやりくりして戦略を練る峰介の手腕が興味深かったです。
トーナメント第一戦から優勝候補かつ、かつてのゲームで共に戦った仲間である天才少女・茜子で、過去の峰介自身を写しているかのような、勝利のためになりふり構わぬ戦い方をする彼女の姿が痛々しく思いました。
道を誤ったままの彼女と過去の自分に向き合い、『今を大切に生き、心を大事にしろ』という亡き相棒アルマの遺言を果たすために戦場に舞い戻る峰介の決意が胸に迫る。クールな顔の下の熱い思いが伝わってきた。
まあ難点と言えば全体的にストーリーが駆け足気味だったのが残念といえば残念か。帯の売り文句には「絶対命令権」がいかにも物語の根幹、メインの目的っぽく書かれているのに、それほど重要でもないもんなぁ。
それと人類と神の対決が、やけにゲームっぽい仕様なのはなんなのだぜ……。いや、ゲーム脳の私にとっては分かりやすくていいんですけどね。しかし、あまり某ゲームっぽくしすぎるとパクリガー勢が黙ってないぞ。