魔法少女育成計画 limited (後) (このライトノベルがすごい! 文庫) 遠藤 浅蜊 マルイノ 宝島社 2013-12-09 by G-Tools |
追う者と逃げる者。結界で限定された空間における、命を賭けた“鬼ごっこ"は、今まさに最高潮を迎える。次々と倒れていく魔法少女たち。刻々と近づくタイムリミット。状況は常に変化し続け、三つの陣営の思惑は入り乱れる。敵味方の立場さえも激しく入れ替わる血みどろの戦いの果てに、最後まで生き残るのは、
昨日の友は、今日の敵
本物の魔法の力を得た十六人の魔法少女による理不尽で無慈悲なマジカルサスペンスバトル。
この魔法少女たちクズすぎぃ! 自分さえ良ければ誰を犠牲にしても構わない悪党ぶりがいっそ清々しい。
中学生組と捜査員組の魔法少女の争いに、さらに脱獄囚組までもが参戦し、タイムリミットが迫るなか、生き残りを賭け、互いが互いの隙を狙って騙し合い、敵味方入り乱れる白熱した殺し合いの光景に息を飲む。
もはや魔法少女とはなんだったのかと考えてしまう。いないほうが世のため人のためになるんジャマイカ?
都市をぶち壊し、一般市民の犠牲お構いなしで繰り広げられる魔法少女たちのバトルがまさに天災。
しかし、魔法少女の強さは、ただ身体能力が高いだけでは勝てず、自分の魔法の特性を理解して罠にハメる、あるいは仲間のフリ、弱いフリをして背中から刺すなど、魔法少女によって戦い方も様々で、一瞬の油断が命取りとなって、追い詰められていたかと思えば、あっという間に勝者敗者が逆転する戦況から目が離せない。
一部の魔法少女の行動原理、執念、妄執は本気で気が狂っていて、常識では理解不能でゾッとします。
脱獄囚組との四対一でも一歩も引かないどころか、追い詰めさえする魔王パムの戦いぶりに唸らされましたが、下克上羽菜のメンタルの強さこそを称賛したい。絶望的状況下でも気力を失わず、傷だらけになりながらも愛する妹分のために立ち上がる姿に魅せられました。いままでのシリーズで一番好きな魔法少女かも。
殺された仲間の仇を打つために、陣営を越えて結束する魔法少女たちの姿が胸に迫りました。
妖精トコや暗殺者を操っていた黒幕の正体は、ああ、アナタでしたかー。相変わらず、腹黒いことやってるなと。魔法の国で革命でもするのでしょうか。スノーホワイトさんに嗅ぎつけられないといいですね。
死亡扱いで命からがら落ち延びた二人は……第四期の魔法少女サバイバルゲームのフラグですねわかります。