紅炎のクロスマギア ~狂える竜と災厄の魔女~ (HJ文庫) 花房牧生 植田 亮 ホビージャパン 2013-11-29 by G-Tools |
借金返済のため日々依頼をこなす、勤労魔術師の少年ヨアキムは、巨額の報酬に釣られて《竜に閉ざされし牢獄都市》へと向かった。依頼の内容は、都市中央の廃城で時を止められているという《災厄の魔女》を解放すること。竜の咆哮が轟く都市に潜入した彼は、そこで自らの運命を変える三人の少女と出会うのだった
魔女が導く王の道
王国を衰退へと誘う愚王の圧政に魔女と魔術師が立ち上がる異世界ファンタジー。
王国滅亡の危機に新たな英雄が立ち上がる! それにしてもこのヒロインたち攻撃力過剰である。
国王暗殺の罪で封印された<災厄の魔女>リーチェ救出の依頼を受けた主人公・ヨアキムが、牢獄都市ヴェントーリアへと潜入し、そこで自らの出生の秘密を知り、運命に巻き込まれていく展開が胸を躍らせます。
植田絵だー(^ω^)prpr いつもながら花房さんと植田さんの親和性は抜群の安定感ですね。
凄腕の魔術師でありながらも借金返済に追われるヨアキムの守銭奴ぶりが所帯じみてて、何故か猫になっている姉ラウナシカを人間に戻す方法探しもしなければならず、苦労の滲み出るキャラに思わず同情してしまう。
大仕事を引き受けて、都市ひとつが牢獄であるヴェントーリアに侵入したものの、令嬢プリムローズやエリィといった可愛いのにお転婆なイロモノ美少女と出会って、道連れになってしまう女運の悪さにニヤニヤ。
<災厄の魔女>リーチェを救出するためには、彼女が封印されている廃墟となった魔物の徘徊する王城へと挑まなければならないのだけれど、国王が送り込んだ看守スパイに狙いがバレて命を狙われたり、番犬として都市に棲む狂竜が暴れだしたりと、徐々に事態が風雲急を告げるものとなっていき、休む暇もなく行く手に立ちはだかる障害を次々に突破して、前に前にと駆り立てるジェットコースター展開が手に汗握りました。
戦闘力高めなヒロインたちに囲まれた主人公は、アレだ、犬猿雉を従えた桃太郎を連想させるな。
リーチェが国王を暗殺にもしっかりとした理由があって、それにしても現在の王の無能ぶりは生理的嫌悪感すらわきますね。クーデター起こっても当たり前やん。神将さえいなければとっくに暗殺でもされただろうな。
10年の時間停止から解き放たれ真の王を見つけた魔女と、ヨアキムたちの今後の世直しに期待が膨らむ。