セブンスホールの魔女 (ガガガ文庫) 池田 朝佳 小学館 2013-11-19 by G-Tools |
異世界の怪物たちが現れるようになった世界。泉野原アカザは腕利きの“魔力持ち”として活躍していたが、ある事件をキッカケに魔力を封じられてしまう。そこへ怪物退治を生業とする巨大民間企業“世界対策株式会社”の高坂ゾフィーから、ある企業の社長にならないかと誘われ、その申し出を引き受ける。しかしアカザが社長として就任した会社は落ちこぼれの魔女たちが集まる会社だった。
魔女たちの居るべき場所
魔法を封じられた新米社長と落ちこぼれ魔女たちが世界を救う、お仕事バトルファンタジー。
魔女っ子だらけの職場で社長業、このシチュエーションは萌える。僕も、この会社に就職したいよ!
異世界から来る怪獣を魔女が退治するのがビジネスとなった世界で、企業グループの中でも落ちこぼれ魔女ばかりが集められた子会社の社長になった主人公・アカザが、社員であるヒロインたちと信頼を築きつつ、いままでにない業務形態を打ち出し、傾いた会社の経営を立て直していく光景が夢があって面白かったです。
元最強の魔法使いながらも魔法を封じられ、失意の底にあったアカザが戦闘経験を買われ、雇われ社長としてスカウトされるのだけれど、それまでフリーランスとして活動していたものだから、会社勤めの苦労や職場でのコミュニュケーションの取り方など知らなくて、それも自分以外の社員は若い女の子ばかりという事務所で、気をすり減らしながら、失敗を繰り広げながら、ゼロから経営を学んでいく姿が初々しくて微笑ましかった。
実働部隊である魔女のハル、サカナ、フラン、オーガストは、それぞれタイプの異なる美少女なのだけれど、メンタルでの問題が仕事に影響して、些細な失敗が致命的な失敗を呼ぶ負のスパイラルがなんとも歯がゆい。
経営方針を見直し、自分たちで出来る範囲の小さな依頼を積み重ねていくうちに、社員たちに自信が生まれて、心の余裕ができたことで前向きになり、次第に社長として受け入れられていく様子がほのぼのとした。
ただまあ赤字経営から、順風満帆に切り替わるのが簡単すぎね、時間の経過早すぎね? ってのと、もう少しヒロイン一人ひとりのキャラの掘り下げを描いても良かったんじゃないかなぁ。気づいたら半年飛んでた。
ハルとか、すげー可愛いんだけれど、どうにもチョロ過ぎて……な。もっとなんか恋愛イベントあるでしょ。バトル描写が厚いのだけれど、次回以降、あればもっとラブ寄せを、オフィスラヴを期待したいかなぁ。