![]() | 妖怪青春白書 ―雪雄くんと薫子さん― (電撃文庫) 沖田雅 ぬこマス アスキー・メディアワークス 2013-11-09 by G-Tools |
人間が思春期頃になると妖怪化するという現代、元は完全無欠なイケメン→でも、今はモフモフな雪男になってしまった雪雄くん。そして、元は品行方正な清純派美少女→でも、今は下ネタ大好きなビッチ可愛い蛇女になってしまった薫子さん。雪雄くんのことが本当に大好きな彼女は、雪雄くんをいじることが生き甲斐なんです。
下ネタ好きの美女と野獣
おかしな二人による微笑ましい下ネタ&ラブラブな日常をつづった、純で不純な妖怪同棲ラブコメディ
雪男と蛇女のラブコメディとか、電撃文庫は時代を先取りしすぎィ! レベル高すぎんよ。
人間がすべて妖怪とのハーフとして妖怪化した外見が当たり前となった世界で、主人公の雪雄と幼馴染で恋人の薫子のバカップル二人が下ネタを繰り広げ始終イチャイチャと惚気っぱなしで、お腹いっぱいです。
妖怪同士のバトルとか、ありそうでまったくない。シリアスな事件も起こらない。なんだこれぇ。
初体験の次の朝から始まる話って、なんなんだよ! フリでも偽装でもなく、この二人、ヤッてます。
ただ雪男と蛇女という人間離れした外見なので、思春期の男女特有の甘酸っぱい雰囲気がギャグになるしかねぇ。毛むくじゃらでもっさもさの見た目ムックの雪男の雪雄が、「いい男とは〜」とか真剣に語っちゃってるのは、確かにシュールで面白いですけれど。恋人がエロに積極的で下ネタ大好きな清純派ビッチっていいよね!
いやいや、いくらなんでも設定が挑戦的すぎんだろ……読まされた読者の思考処理が右往左往してるわ!
雪雄と薫子の仲は、両家の家族公認で、同棲生活の支援して、結婚まですでに予定を組んで準備してて、やたらとノリノリなのは、ちょっと展開が進み過ぎだろう雪雄くんだけじゃなく読者の理解が追いつけないよ。
ただ薫子を悩ませるお家事情を理解した上で現状を受け入れる雪雄がいい男でした。これは格好良いムック。
いや、多少シリアスな裏事情があったけれど、イベントらしいイベントは結局起きてない! ただバカップルが延々下ネタ話でイチャイチャしてただけや! それが本当に正しいラブコメディだけれど! だけれど!
前作『オオカミさん』シリーズの別の世界線の様で、亮士くんや涼子さんのその後の姿が微笑ましかった。なんとも奇妙で可怪しい世界観だけれど、まああまりネタを真剣に捉えずギャグとして適当に見ていようか。