魔法少女育成計画 limited (前) (このライトノベルがすごい! 文庫) 遠藤 浅蜊 マルイノ 宝島社 2013-11-09 by G-Tools |
「あなたたちは魔法の才能を持っているのよ」放課後の理科準備室に現れた妖精は、そう告げると、室内にいた女子中学生たちを魔法少女へと変えてしまった。「魔法少女になって、悪い魔法使いからわたしを助けて! 」マンガやアニメのような展開に色めき立つ少女たち。7人の魔法少女は、妖精に協力することを約束するが。
追う者と追われる者と殺す者
本物の魔法の力を得た十六人の魔法少女による理不尽で無慈悲なマジカルサスペンスバトル。
いやぁ、相変わらず面白い。ピュアカワイイのにとんでもなくグロくてダークなところが面白い。
魔法の国から逃げ出してきた妖精トコによって魔法少女にされた少女たち、トコを犯罪者として追う魔法の国の捜査員の魔法少女たち、さらには刑務所から脱獄した極悪犯の魔法少女たちがひとつの街に閉じ込められ、それぞれ陣営に分かれて追う者と追われる者が入れ替わる三竦みの抗争を繰り広げる様子が手に汗握りました。
悪い魔法少女から地球を守ってよと言う妖精トコは、怪しすぎワロスだわ。淫獣の匂いがぷんぷんするぜー
強制的に魔法少女にされてしまった7人の少女たち、便利な力の誘惑に勝てず、怪しいと思いつつもトコに言われるがまま、追手と戦うことになるのですが、最初の不意打ちにヘタに成功してしまったせいで油断してイマイチ緊張感に欠け、怒り心頭で本気にさせたベテラン相手にいつ殺されるか、危なっかしくて仕方がない。
トコの犯した事件にしても魔法の国の政治闘争が発端で、現場の捜査員である魔法少女たちには事後承諾で、無茶な指令が下されるばかりで、使い捨ての消耗品のように振り回される少女たちの悲痛な叫びが切ない。
しかし、後手に回っても流石はプロの魔法少女。すぐにアドバンテージを取り戻し、索敵でも、戦闘でも新米魔法少女を圧倒して、追い詰めていく戦いぶりが痛快でした。見覚えのある顔がいると思えば丸くなったぁ。
名前の無い魔法少女は死んでるけれど、名前付きが誰も死んでないだと!? こんなの初じゃないか。
戦いの結果、不幸な遭遇を果たしてしまった極悪犯の魔法少女たちの動向から目が離せません。こいつらは嫌な予感だけしかない。しかし、プロ捜査員の勝ちが決まりかけたこの追いかけっこをどのような悪意で引っ掻き回してくれるのか、ワクワクでもあります。やっぱり魔法少女たるもの殺し合わないと(洗脳)