覇剣の皇姫アルティーナIV (ファミ通文庫) むらさきゆきや himesuz エンターブレイン 2013-10-30 by G-Tools |
ベルガリア帝国は他国の侵略を受けんとしていた。後にレジスの宿敵となる軍師オズワルド率いるハイブリタニアの蒸気船団、そしてヴァーデン大公国の軍勢が奇襲を仕掛けてきたのだ。この開戦には留学中のベルガリア帝国第三皇子バスティアンが関わっており
とある姫と皇子の物語
読書狂の青年軍師と伝説の宝剣を振るうお姫様が織り成す戦記ファンタジー。
バスティアン皇子カッケエエ!! もうこの人が主人公でいいんじゃない? ってか、レジスどこいった!
女王の国ハイブリタニアへと留学中の第三皇子バスティアンが、クラスメイトにして次期女王候補の王女エリーゼを巡る王位継承争いに巻き込まれ、命を狙われる彼女を守り軍隊相手に奮闘する姿にときめきました。
『覇剣の皇姫アルティーナ』を読んでいたら、『派遣の皇子バスティアン』を読んでた。これはありやで。
これまでの伝聞からゴリラマッチョを連想していたバスティアン皇子の実物が、口絵だとひょろひょろで、「んん?」ってなったけど、前評判の通り脳筋キャラかつ、非常識をゴリ押しで通す熱血少年で痛快でした。
学生として身分を隠しながらも曲がったことが嫌いで、真面目で気丈な王女エリーゼも素敵で、そんな彼女の愛国心を面白半分で弄ぶ、政敵であるマーガレット王女と軍師オズワルドの存在が本当に腹立たしい。
王宮に次期女王に指名されながらも主戦派に暗殺されかけ、死を覚悟したところでバスティアン命を救われるのですが、二人だけの逃避行を続ける間に、それまでおバカでマヌケな男子だと思っていた彼が、超強いし、王子様だし、自分を元気づけて守ってくれるしで、頼れる男の姿をガンガンに見せつけられて、エリーゼみたいな意地張ってるタイプはイチコロでしょうね。これどこのロマンス小説ですか。甘々な展開でお腹いっぱい。
実際は、ただの中二病をこじらせたワナビなんですけれど、ありがちな主人公無双を自分で再現してしまえる戦闘力があるから困る。皇帝一家変態すぎー。それだけ戦えれば、そりゃあ、戦争大好き国にもなるわ。
戦争を止められず、戦端が開いてしまったハイブリタニア、そしてレジスたちを襲うヴァーデン大公国。東西から同時侵攻を受けるベルガリア帝国の軍は、レジスとアルティーナはどう立ち回るのか、今後が楽しみです。