ぼくと彼女に降る夜―ナイトサクセサー~夜を継ぐ者 八街 歩 富士見書房 2007-03 by G-Tools |
【清夢騎士は平凡な高校一年生。彼は、ある日街角で魔術師同士の闘いに巻き込まれ、魔女ヨルに命を助けられたナイトは、魔女たちの殺戮の宴へと足を踏み入れていくことに】
「ぼくは・・・・・・正義になりたい。
正義になるための、力が欲しい!」
正義を信じる心、それが力だ!
『魔王』の座を賭け、戦い続ける魔女たちのバトロワもの。
歴史の裏で存在していた魔術師たちの大元締め、『魔王』の座を巡る魔女たちの殺し合いに遭遇してしまった清夢騎士。
口封じに襲われたところを助けてもらった『闇』の魔女ヨルを試合に勝たせるため、魔術師でないはずの彼が立ち上がるのですが、これが意外に熱くて燃えます。名前は恥ずかしいが。
『魔王』を目指して戦う宿命を背負わされた名家の魔女ヨル。
高飛車系ツンデレのテンプレですが、プライドの高さからナイトに揚げ足をとられて自爆したりする掛け合いはいいですね。
最初に天才ぶっていながら、だんだんと対戦相手や優秀な父親へのコンプレックスを見せていくところが可愛いかも。
幼い頃に魔法を習った『先生』の面影を残すヨルに、そうとは知らせず、己の正義を貫くために命がけの戦いへ挑もうとするナイトの潔さが好ましいですね。名前は恥ずかしいのに。
話のあらすじと展開はありふれたものでしたが、ヨルに味方して勝たせるのか、それよりも『先生』の復活を願うのか、最後に大きな選択肢を抱えたナイトのこれからが気になります。
それにしても名前が恥ずかしいな。
『オラが村ぁ平和』以来、久々のシリーズ。
(いや、変な基地外忍者ものが間にあったような・・・)
ド田舎の村に銭湯を普及させるという、あの牧歌的な雰囲気は好きでしたよ。ラストは何故か銭湯の店主が「新世界の神になる」を実践してしまう超展開でしたがそれはともかく。
いまこそあのほのぼのとした日常分がウケる時代だと思うので、そこら辺をうまく引き継いでいって欲しいなぁ。
オラが村ぁ平和―パラダイス・メーカー 八街 歩 by G-Tools |