ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (4) (電撃文庫) 宇野朴人 さんば挿 アスキー・メディアワークス 2013-09-10 by G-Tools |
北域での過酷な戦争を生きぬき、多くの犠牲を払いながらも生還したイクタたちを待っていたのは、厳正なる軍事裁判だった。そして裁判のあとに開かれた軍議で、サザルーフは、イグセム元帥やレミオン大将といった高官たちに、ある突飛な要請を提案する。実はそれは、密かにイクタから託されたもので―。
皇女殿下の世直し旅
のちに名将と呼ばれる怠け者な少年の激動の半生を描く壮大な架空戦記ファンタジー。
我が友マシューがモテモテで人気者…だと…新ヒロインともイイ仲になって、いつの間に勝ち組に!?
北域動乱をかろうじて生きて戻ったものの、シナーク族の難民問題が持ち上がり、イクタたち『騎士団』のメンバーが奔走して受け入れ先を用意する間にも、政府の上層部では新たな戦争の準備が進められていて、さらなる動乱に巻き込まれていく少年少女たちの戦いと冒険、そして出会いに興奮と興味が尽きない。
ヤトリやトルウェイのオヤジーズがダンディすぎて、もう脳内麻薬ドバドバですよ。軍部から国を思えど、腐敗した官僚や貴族たちに政治を牛耳られ、規律によって領分を越えようにも出来ない思いがもどかしい。
シナーク族の難民問題を片付けるため、マシューの故郷へと帰るのだけれど、そこでも腐敗した代官によって密かな悪事が行われてて、シャミーユ殿下の指揮で解決に乗り出すのだけれど、アナタは『水戸黄門』か!
新天地でシナーク族ともうまく付き合い始めたのも束の間、唐突にキオカへの出兵が始まって、慣れない海軍船でのシゴキに悲鳴をあげる男子組だけれど、イクタだけは悪ふざけで逆にやり込める姿が可笑しい。
船員との溝が埋まらないままキオカ艦と遭遇戦が始まってしまい、またも無警戒だった新兵器で手痛い敗北をみてしまう帝国艦の惨状がやるせない。初陣で自信喪失に陥ったポルミを慰めるマシューがイケメンだった。
今回はこれまで大活躍していたイクタ、ヤトリ、トルウェイは一休みし、彼らの存在に隠れがちのシャミーユ殿下とマシューの出番がようやく巡ってきて……あれ、ハロは? ええ、サリー姿がエロかったですはい。
北で山に登ったと思ったら、南で田んぼを歩きまわり、今は東の海ですか、あっちこっち移動して徐々に世界観が広がってきましたが、果たして彼らのこの旅の終わりはどこにあるのか。最後まで見届けたい。