![]() | 壱級天災の極めて不本意な名推理1 (ファミ通文庫) 鳳乃一真 赤りんご エンターブレイン 2013-08-30 by G-Tools |
自称名探偵・壱級天災が奇妙な悪魔と結ばされた契約は、七重島中にばら撒かれた、死を生む《刻印の呪い》を回収するというものだった! 方法は悪魔との推理対決。舞台は未来の事件が具現化する異空間《惨劇の未来》。つまりどんな名推理を披露しても喝采されない、天災にとっては極めて不本意な勝負。
名探偵への挑戦状
自称名探偵・壱級天災が悪魔バアルの出題する殺人事件に挑戦するコミカルミステリー
表紙のこの美女は誰だよと思ったが、なんだ名探偵の天災ちゃんか……って、誰だよ!?
悪魔バアルの封印された七々々コレクション『イゾルデの封印書』を開いてしまった名探偵・壱級天災が、彼の作り出した異空間の中で起こる殺人事件の解決を強いられ、不本意な推理を繰り広げる光景が可笑しい。
『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』のスピンオフ。シリーズのもう一人の主人公・壱級天災を巡る推理劇。
『名探偵』をしたいがために難事件発生を求めてしまう壱級天災の問題児ぶりは、いまに始まったことではないのだけれど、悪魔バアルによってばら撒かれた『呪い』により、誰からも喝采されず目立たない推理勝負に立ち向かわざるを得ない状況に陥っていく展開が、普段の不謹慎さへの天罰めいていて苦笑を禁じえない。
そんな経緯でやる気はなくとも難事件をあっさりと解いていってしまうのだから感心するやら呆れるやら。
天災の傲岸不遜さは相変わらずですが、助手のダルクを助けようとしたり、事件捜査で関わりがあった人物に事件後も肩入れするようになったりと、意地っ張りな彼女の内に見え隠れする人情味が可愛らしかった。
友人となった研究者・妃凛、科学者・スイナなども仲間に引き入れて、バアルに対する探偵団のようになっていくところも微笑ましかったのですが、この女ども残念すぎる。唯一の癒しは巨乳のダルクちゃんだけや!
本編シリーズと同時進行という形式のこちらのスピンオフ。ときどきダルクと一緒に姿をくらませて、忙しくしていたり、いつの間にか交流を広げていた天災の身に、こういうことが起きていたのかと納得しました。
鮮やかな名推理もありつつ、グダグダでゴリ押しな事件解決もあり、お互いに人を食ったような天災とバアルの駆け引きがシニカルな笑いを誘います。天災好きなので、こちらのシリーズの展開も期待しています。


