初恋コンテニュー (ガガガ文庫 な 7-1) なかひろ wingheart 小学館 2013-08-20 by G-Tools |
主人公・綾野 海の妹・空はそのハードにあまりにも熱中していた。彼女はゲームをこよなく愛し、どんなに理不尽なソフトでも楽しんでプレイしてきたのだ。……自分自身がゲームに取り込まれるまでは――。
初恋のつづきはゲームのなかで
ゲームにとりこまれた兄妹が、脱出めざして恋愛に奮闘するデスゲーム風ラブコメ
恋愛ゲーのシステムに懐かしさすら覚える。いや、パラメータ方式って今でもあるのか?
クソゲーばかりと評価を受けた旧式ハード機の妖精パーシィに連れられ、恋愛ゲー『ドリームメモリーズ』の世界に閉じ込められた兄・海と妹・空が、現実世界の少女たちを模したヒロインたちとの攻略を通じて、愛とは何か、彼女たちとどう向きあえばよいのかを学んでいく展開が青春ドラマのようで甘酸っぱく、眩しかった。
閉じ込められたゲームから脱出するには、ヒロインと恋愛してゲームをクリアせねばならず、ゲームに詳しい妹の空が、ゲームに疎い兄の海をコントロールするように女の子たちを攻略していくんですが、「この娘を落とすには【運動】パラメータが必要」とか、「まだフラグが立ってない」とか、あくまでもゲームと割り切ったメタ発言が可笑しい。海は海でゲームと分かっていても現実と同じように捉えてしまうところが、ピュアい。
攻略対象のヒロインはNPCながらも、二人が現実で関わったことのある少女たちの設定を模していて、様々な事情があって今はギクシャクしてしまっている彼女らともう一度やり直すために、ゲームを通じて相手の思いや自分の本音を理解し、付き合い方を考えなおしていく過程が切なくて、胸が締め付けられます。
ゲームオーバーを繰り返しながらも諦めない根気は、相手を本当に想ってないとできないと思います。
しかし、ゲームの結末はドン引きやったなぁ。これはクソゲーいわれても仕方がないぞ……。
それと、ぶっちゃけ、テーマが古くないですかね。よくてスーファミ世代のゲームで、目新しさをそこまでカンジない。それとヒロインの何人か、秘密を思わせぶっておいて伏線回収してなかったよね。
正直、PCゲームをそのままラノベでやっても面白く無いので、何か工夫や仕掛けが欲しかったです。