ダフロン

2013年08月11日

放課後の魔法戦争 2/鈴木鈴

4048918559放課後の魔法戦争(アフタースクール・ブラックアーツ) (2) (電撃文庫)
鈴木鈴 さらちよみ
アスキー・メディアワークス 2013-08-10

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辛くも前回《魔法戦争》を生き抜いた三九郎たちの前に、先の戦争で共闘した呉葉の所属する工房《マーチラビット・ワークショップ》の長・蜜月蕩乃が現れた。彼女は父・団慶亡き後の工房運営に支障をきたしていた三九郎へ協力するかわりに、子を作らせてほしい(!)という驚愕の交渉を持ちかける。

 男とは、戦うたびに強くなる

 魔術の使えない主人公が魔術師たちと命がけのバトルロイヤルを繰り広げる学園魔術バトル

 伏桜製作所の一番の人望ってか、権力を持っているのって、三九郎じゃなくて、ねねこじゃね?
 不調の続く工房の設備の修理を依頼したところ、手違いからメイジたち狙われる存在になってしまった幼馴染ねねこ、襲い来るメイジたちから幼馴染を守るために力を合わせて奮闘する三九郎たちの姿が熱かった。
 残酷で不条理に満ちたメイジの世界で、信念と愛を貫こうとする少年少女たちの姿に魅せられる。

 ごく普通の一般人なのに、またしても海千山千のメイジたちのド肝を抜く幼馴染のねねこが痛快です。
 故障した設備の修理の報酬として三九郎との性交渉を求めてきたマスターメイジ蜜月蕩乃の企みを、予想外の方法でぶち壊す天然さが小気味いいが、工房長相手に一歩も譲らない向う見ずさがハラハラさせられる。
 三九郎の心配通りに、またしてもメイジから狙われる状況に陥っていく光景は目も当てられない。

 奪われたねねこを追いかける三九郎と妨害をするメイジとの追走劇に、他勢力である雷火やその姉の仄火までもが参戦して三つ巴に発展して、一般市民を巻き込んでさらに激化していくメイジたちの戦争に息を呑む。
 親友でありながら、お互いに譲れない意地を張って殺し合う三九郎と雷火をバカらしいと思いつつも、親友を認めているからこそ対等でありたい、メイジとして誇りを賭け全力をぶつけ合う男たちの友情に燃えます。

 熱血臭くて汗臭い男どもに比べ、お互いに助け合う女の子たちの友情は微笑ましいですね。それぞれ男子顔負けに勇ましいのだけれど、本当に友達のことを思いやっていて、特に呉葉株がウナギのぼりです。
 華夜はデレ化すぎてこっそり三九郎のシャツをクンカクンカする残念なヒロインになってきたけれど、いいんじゃないですかね。本妻と愛人の修羅場がもっとみたいです。本妻は雷火だろって気がしないでもない…。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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