問題児たちが異世界から来るそうですよ? 暴虐の三頭龍 (角川スニーカー文庫) 竜ノ湖 太郎 天之有 角川書店 2013-07-31 by G-Tools |
地獄の窯より現れた魔王アジ=ダカーハ。殿下との戦いで瀕死の上、右腕がまったく使えない十六夜は、ノーネームの仲間を逃がすために、魔王と対峙したはずだったが、飛鳥たちの前にもアジ=ダカーハが現れて――!?
悪と正義の体現者
異世界に召喚された最強問題児たちが打倒魔王を掲げてバトルを繰り広げる異世界ファンタジー。
話がまったく進んでねぇええええええ!!! リリたん可愛いよリリたん(^ω^)ペロペロ
復活した魔王アジ=ダカーハに手も足も出ない十六夜、悪の御旗の正義を知り、黒ウサギは力を失い外部からの応援は絶望的。"ノーネーム"が立ち向かわなければならない人類最終試練の高き壁に圧倒されました。
過去エピソードの短編が挿入されて、そのせいで本編のほうが短く、さらにまた引っ張ったの……。
全力を出した十六夜でも時間稼ぎをするのがやっと、切り札の頭脳もガチの戦いの場では活かせず、いままで読者の期待に応えてきた彼が、魔王アジ=ダカーハに一方的に蹂躙される姿がやるせなくてたまりません。
耀と飛鳥の成長がめざましいけれど、能力に重い代償があったり、生身の人間という弱点はそのままだったりと、未完成のままで十六夜と肩を並べるには、まだあと一歩足りてないのが無念で辛いところ。
問題児三人組が、それぞれ生まれた時代と境遇を話すエピソードでは、十六夜が生きてた時代の施設が、耀の時代では遺跡になってますが、そんな先の未来から来たのか? 精々20〜30年ってだと思ってました。
巻頭でも描かれてますが、金糸雀の十六夜への惜しみない愛情が伝わってきて、ほっこり。問題児で破天荒な彼だけれど、根っこのところが歪まなかったのは彼女がいたから。十六夜も意図を薄々察してたんでしょうね
黒ウサギへのプレゼントを買いに行くリリのおつかいが、アンダーウッドを巻き込む大騒動になってしまうお話では、真っ正直に健気に生きようとする幼い彼女の姿が初々しかった。カボチャいっぱい食べさせてあげて
魔王の暴走からアンダーウッドを救うために、科学者たちの悲願である人類最終試練の一つを達成してしまうノーネームだけれど、案外あっさりだったな。これまでクリアされてなかったのが少し不思議でした。
短編でお茶をにごされた感がありましたが、次回こそはちゃんと決着おねがいしますよ。