終焉世界の天災姫 (角川スニーカー文庫) 三ノ神 龍司 藤真 拓哉 角川書店 2013-07-31 by G-Tools |
異形の種『禍獣』の侵攻により、この世界は、一度終わった。禍獣を討つ『陰陽徒』を目指す九鬼不動は、災害と呼ばれる問題児。ある日の討伐中、異能を暴走させてしまった彼を止めたのは一人の少女だった。閉ざされた都市で繰り広げられる、新世代バトルファンタジー
世界と君を護りたい
天候制御システムによって激変した世界で異形の怪物と戦う少年少女の学園バトル・アクション
おい、着ぐるみは何だったんだ! ただの通りすがりか! なんてコウカツな着ぐるみトラップジュツ!
人々を襲う禍獣を討つ『陰陽徒』を育成する学園の問題児・不動が、若くしてプロとして活動する少女ヒナと出会い、特殊な生い立ちの彼女を守るために命をかけて戦いに身を投じる姿が男らしくて格好良かったです。
ベタなくらい王道な勧善懲悪のモンスタースレイヤーもの。直球のラノベってカンジで爽快でした。
不動が久しぶりに気持ちのいい主人公でした。両親を奪った禍獣や九頭龍を憎めど、その憎しみには捕らわれないで自分の信念のために戦い。パートナーである満月とも、「俺が守ってやる」ではなくて、「俺の背中は任せた」という信頼で結ばれている姿に力強さを感じさせる。秘めた力があって、妹がいて、幼馴染がいて、両親はいなくて、モテモテだけれど、女子から向けられる好意には鈍感と、ラノベ主人公要素完璧ではないか!
ヒロインたちも幼馴染から初対面まで、みんな揃ってチョロチョロすぎて、ややラブストーリーとしての掘り下げが薄いのはともかくとして、それぞれキャラは立っていましたね。1巻目からハーレム揃いすぎだろ。
現代科学と異能とファンタジーが程よく融合したトンデモ科学バトルっぷりも夢があって燃えました。
登場人物の行動や悪役の計画が行き当たりばったりにしか思えないものの、世界観の設定も広い。
ここまで良いところはきっちり褒めましたので、最後に悪い点を挙げさせてもらうと。文章力が低い。
改稿してこのレベルなの?ってくらい、読んでて文章に違和感を抱く。地の文は三人称だから文語体で統一しようよ。文章を名詞から始めるクセが見受けられるが、そのせいで一文一文に無駄が多い。日本語としてはあっていますが、もっと簡潔に短くまとめられる。まあデビュー作だし仕方がない、今後に期待か。