落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) (GA文庫) 海空りく をん ソフトバンククリエイティブ 2013-07-16 by G-Tools |
魂を魔剣に変えて戦う現代の魔法使い《魔導騎士》。その学園に通う黒鉄一輝は魔法の才能がなく落ちこぼれた《落第騎士》だ。だがある日、異国の皇女にして《A級騎士》のステラから決闘を挑まれ――勝ってしまう! 悔しがりながらも一輝に惹かれ始めるステラ。そして《落第騎士》はすべての騎士からも注目され始める!
最弱と最強を極める者
才能のない落ちこぼれの最弱が、意地と努力で頂点に駆け上がる学園異能バトル・アクション。
才能を笑うものは、努力に足をすくわれる。努力なくして、才能もなし。才能がなければ努力で補う!
最低ランクの魔力しか持たない落ちこぼれの主人公・一輝が、最高ランクの魔力を持つ天才少女・ステラと出会い、互いの努力と志を認め合いながら、戦いの中で騎士としての高みへと登っていく姿に胸躍った。
最弱が努力で最強の才能を倒す! この下克上が学園異能の醍醐味! 挫折と敗北がキャラを輝かせてた!
魔導騎士として最低限の魔力しか持っていない一輝を、出会った当初はバカにしていたステラでしたが、実際に戦って、その卓越した剣技と見切りの技術に敗北し、彼がこれまで積み重ねてきた努力と苦労を知るうちに、その秘めた強さと逞しさに惹かれて、一輝も才能に溺れず努力を怠らないステラの気高さ、美しさに魅せられて、ライバルとして認め合い、異性としても意識し合って絆が芽生えていく二人の関係が微笑ましかった。
新入生の主席だったステラに勝ったことで注目を浴び始めた一輝ですが、落第騎士としての風評は消せなくて周囲の生徒からは見下され、蔑みの対象となるものの、そうした声を実力で黙らせていくのが痛快ですね。
一輝にとっては因縁のある優等生との試合では、能力の相性と無意識の緊張で思うように実力が出せずに苦戦をしいられるも、ステラの声援に本来の自分を取り戻して、劣勢からの圧倒的な逆転劇に胸がすく思いでした。
そんなバトルでの興奮もエピローグで吹っ飛びました。まだシリーズ1巻目なのに主人公とヒロインが、ラブラブじゃないっすかー。こういうのは続巻でサブヒロインを大量に追加してラブコメをもったいぶってハーレム化するのがお約束なのに、そうしたダルいテンプレを旧式にするぜ!と言わんばかりのステラルート確定!
カップルをハッキリさせたぶん、ストーリーにも締りがついていいですね。次なる戦いにも期待。