銃皇無尽のファフニール1 ドラゴンズ・エデン (講談社ラノベ文庫) ツカサ 梱枝 りこ 講談社 2013-07-02 by G-Tools |
突如現れたドラゴンと総称される怪物たちにより、世界は一変した。やがて人間の中に、ドラゴンの力を持った“D”と呼ばれる異能の少女たちが生まれる。唯一の男の“D”である少年・物部悠は、“D”の少女たちが集まる学園・ミッドガルに強制的に放り込まれ、さらに生き別れの妹・深月と再会し、学園に入学することに
乙女を守護する悪竜
ドラゴンの力を持つ"D"の少女たちと暗殺者になるはずだった少年が繰り広げる学園バトルアクション。
ふっ、久しぶりにハーレム皇の名に相応しい主人公がいるラノベがきたじゃねーの。この男なら許せる!
年頃の乙女のみにしか与えられない"D"と呼ばれる力を唯一持つ少年・悠が、"D"の女子しかいない学園に入学し、ヒロインたちと絆を育みながら、人類の宿敵ドラゴンから少女たちを守り抜く姿に奮い立ちますね。
あからさまなハーレムラブコメだが、ヒロインが凛々しくて、決意に満ちあふれている姿が素敵でした。
美少女だらけの乙女の園ミッドガルに入学した悠ですが、それまで在籍していた軍部とは異なる"D"の力の使い方に慣れずに出遅れてしまい、学園の問題児揃いのクラスメイトから爪弾きにされてしまうものの、ドジでちょっとアホな子のイリスとは落ちこぼれ仲間として励まし合ううちにお互いに打ち解けていき、生徒会長でブラコン気味な義妹の深月が、急接近する二人に焼きもちを妬いて毎回横槍を入れるやり取りが微笑ましかった。
ドラゴン討伐隊に入るための試験で好成績を出し、ようやく実力を見直されたイリスでしたが、"D"の証である竜紋に変化が現れ、ドラゴンを呼び寄せてしまう存在となり、望んでた夢を断たれてしまう姿が辛かった。
任務から外され地下に軟禁状態となったイリスの元へ、普段はイリスをバカにしていたクラスメイトたちが次々に訪れ、仲間は大切な家族、自分たちが絶対に守ってみせると、励まし合う少女たちの友情がホロリくる。
仲間が犠牲になるくらいなら自分を殺してくれと願うイリアと約束したのに、彼女の命を狙って襲ってくる別働隊を身体を張って退けて、最後までドラゴンを相手にあがき続ける悠が男気があって格好良かったです。
力の総量では女子に劣る悠でも、秘められた力があって、でもその代償はとてつもなく残酷で、しかし自分を犠牲にすることを厭わない覚悟に魅せられる。エロもシリアスもちょうどバランスよくて、オススメです。