ダフロン

2013年07月04日

特等添乗員αの難事件 IV/松岡圭祐

特等添乗員αの難事件 IV (角川文庫)
特等添乗員αの難事件 IV (角川文庫)松岡 圭祐 清原 紘

角川書店 2013-06-21
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ラテラル・シンキングを駆使し、電車から豪華客船まで0円旅行を実現してしまう謎の韓国人美女が現れた。その名もミン・ミヨン。観光業界としては見過ごせない一大事に、白羽の矢が立ったのは同じ思考を持つ浅倉絢奈だった。ところがその絢奈は、壱条那沖との新居探しや恋のライバルに翻弄され…。

 南の島の水平勝負

 水平思考で不可思議な事件の謎を解く、娯楽性満点の「人の死なないミステリ」

 那沖さん、甲斐性なさすぎわろた。どこぞの角川の記者じゃあるまいし、急にヘタレ化が進んだな。
 水平思考を悪用し、無銭飲食、無賃乗車を繰り返す準指名手配犯の美女ミヨンを捕らえるため、同じ水平思考の達人である絢奈が立ち上がるものの、那沖に昔の女が現れて余計な悩みに振り回される姿がもどかしかった
 しかし、なんで今回はこんな週刊誌のグラビアアイドルみたいな表紙なんだろうね。テコ入れなのか。

 幼馴染の女性・瑠華に婚約を迫られ、絢奈と微妙なすれ違いを起こしてしまう那沖さんは優柔不断というか、優先順位を間違えてる。絢奈が怒っているのは瑠華を強く拒絶できないからのではなく、絢奈を第一に考えずに言い訳ばかりしてるからでしょう。絢奈には親同士のしがらみとか、知ったことではない。男からみても彼の言葉だけで行動のない態度は見苦しい。まず過去の女を清算するまで会いにいくなよ。余計にみっともないわ。

 悩み事は解決しなくても添乗員としての仕事はしなければならなくて、ハワイ旅行ツアーで出会った現地ガイドの勇渚に惹かれてしまう絢奈の気持ちはわかるわーどこぞの官僚の坊ちゃんと違って性格がイケメンだもの。
 ハワイで一度はミヨンを追い詰めたものの、トリックによって作られたアリバイが崩せず釈放せざるを得なくなって、先走りした役人コンビが困り果てる姿は、正直ざまを見ろと思ったわ。いまさら反省しても遅いよね

 進退窮まった彼を助けるために一人でトリックを暴きに奔走する絢奈の思いは、愛に満ちてるなぁ。
 正規の警察組織とは別のエージェントに命を狙われているミヨンの境遇まで考慮に含めて、罠を仕掛ける駆け引きがシンプルだが実に効果的で見事。相手が冷静さを失う思考の盲点をつくのが水平思考の戦い方ですね。
 最後は元さやに収まってハッピーエンドだけれど、那沖さんは結婚前に能登先生に男を習ったほうがいい。

posted by 愛咲優詩 at 02:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 角川スニーカー文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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