RPG W(・∀・)RLD14 ‐ろーぷれ・わーるど‐ (富士見ファンタジア文庫) 吉村 夜 てんまそ 富士見書房 2013-06-20 by G-Tools |
邪神ギャスパルクの復活を阻止することができなかったユーゴたち。だが、手をこまねいてそれを見ているだけではなかった。これまで旅をする中で得た仲間たちと共に、世界を救うための最後の戦いに打って出る!
永久へ繋ぐ伝説
不思議な力でRPGの世界にやってきてしまった高校生二人組のドタバタファンタジー。ゲームクリア!
人間とは何故生まれ、何故生きるのか。人間らしく、よりよく生きるということの真理に触れた気がした。
エターナルの存亡を賭け、邪神ギャスパルクとの最終決戦が始まり、主人公ユーゴを中心に強きも弱きも誰もが力を合わせ、命を振り絞り、多大な犠牲を払った末に勝ち取ったかけがえない勝利に、まさに感無量でした。 読者に親しみやすい世界観とストーリーを描きながらも、とても深い人生哲学を感じる結末でした。
勇者として誰よりも重い期待と責任を背負い、戦い抜いたユーゴの功績は誇らしい見事な活躍でしたが、最終決戦での影の立役者、シリーズ通じて最も成長したキャラは、ショウでしょうね。エターナルに来た序盤はことあるごとにレベルをひけらかすお調子者でしたが、親友の雄姿を見つめ、大切な女性を見つけ、旅の中で少しずつ人間として大きくなっていく成長ぶりに目を見張りました。正直、ユーゴよりも共感できたキャラでした。
特別な人間でなくとも、誰しも勇気という魂の力が眠っている。一つ一つの力は小さいけれど、束ねれば大きな炎となる。ただの普通の人でありながら邪神に挑んでいく名も無き兵士たちの姿にも胸が熱くなります。
そしてリサやセレナ、アークたち悪に魂を染めた者であっても、心の奥には小さな善が宿っている。ただ悪人を裁くのではなく、罪を悔いて引き返す機会を与えることが本当にするべきではないかと考えさせられる。
悪意は決して滅ぼすことはできないが、善意もまた決して滅ぼすこともできない。誰の心にも善意と悪意が宿っている。人間である限り、常に戦い続けなくてはならない。ストーリーの根幹に、またも作者の吉村夜の作品に共通して主張する思いを見つけることができました。ただひとつ心残りがあるといえば、ウメさんに最後くらいは、もっといい挿絵をあげてくださいよおおおおおおおお!!!(´;ω;`) 顔が怖いんだよばーちゃん
エンディングの後も、もうちょっとだけ続くようなので本当の最終巻と新シリーズに期待。