召喚主は家出猫 (1)喚ばれてみれば最前線 (角川スニーカー文庫) 鷹見 一幸 唯 角川書店 2013-04-27 by G-Tools |
突然、ファンタジーな世界に召喚された翔馬。そこは帝国による侵略寸前の小国で、なんと喚んだのは二年前に失踪した幼馴染みの瀬里奈だった! 翔馬は帝国に立ち向かうため、サバイバル知識をフル活用するが!?
天変地異と戦う戦士
異世界に家出中の幼馴染に召喚された少年が危機に立ち向かう異世界サバイバルアドベンチャー。
数も質も優る敵軍に対して常識外れの戦術と創意工夫で立ち向かう、いつもの鷹見劇でした。
行方不明だった幼馴染・瀬里奈によって異世界に召喚された主人公・翔馬が、帝国に侵略されかかっている王国を救うべく、サバイバル知識を活用し、圧倒的戦力差を覆して撃退する光景が痛快でした。
やっていることはおなじみですが、今度は魔法アリのファンタジー世界というのがチョイ目新しい。
突然の窮地をありあわせのものを組み合わせて切り抜けていく翔馬のサバイバル知識と応用力が凄かったですね。イマドキの高校生はいつ異世界に召喚されてもいいように準備してるのかよスゲーな!
2年間の失踪中に異世界で天才魔導師になっていた瀬里奈に召喚され、召喚主と眷属の関係になったものの、幼馴染同士、たった二人だけの日本人として気心の知れた関係が微笑ましいです。
二人を迎え入れてくれたアンゼリカ王国は現在進行形で帝国に領土を侵略されつつあって、別世界の知識を持つ二人が頼りにされるんだけれども、さすがにたった二人だけではどうにもならず、一方的な期待を押し付けてくる周囲に対して、現地人の常識では思いつかない機転と発想を閃いて仰天させる光景が愉快ですね。瀬里奈の魔法はチートながらも、そのチートに頼りきりにならないところがよかった。
話の設定として、鷹見さんに魔法を使わせたら、ぬるゲーだろう……。しかし敵の皇帝も翔馬や瀬里奈と同じ地球の知識と技術を持っているので、地球の戦争史を異世界で再現する展開になるのかな。
計算魔法や醸造魔法、冶金魔法など、ファンタジー小説でも珍しい区分の魔法がポンポンでてくるのは興味深いと思いました。一難去ってまた一難。さて新たな危機をどう切り抜けるのか、次巻に期待。