やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7 ドラマCD付き限定特装版 (ガガガ文庫) 渡 航 小学館 2013-03-19 by G-Tools |
京都への修学旅行を前に、どこか浮き足立つクラスの雰囲気。文化祭以来、教室内でさらに微妙な立ち位置になった八幡だったが、最初から地位なんてないようなもんだしな、と我関せず。ところが、奉仕部に持ちかけられた意外な人物からの「恋の相談」。そこにはまた別の人物の思惑も重なって…。
だから誰もが嘘をつく
ひょんなことから美少女と部活動をすることになったヒネクレ高校生の一風変わった青春ラブコメ。
形骸化した学校教育の忌むべき悪習『修学旅行』が産む弊害についていろいろ考えさせられました。
京都への修学旅行にかこつけて、片思いの女子へ告白を考えている葉山グループの一員・戸部の依頼を受けて、八幡たち奉仕部が彼の告白をサポートするのですが、ハナから脈がありそうもないその「恋の相談」に修学旅行の間中、振り回され傷ついていく八幡の姿が痛々しくて胸を締めつけられます。
ぼっちにとっては四六時中疎外感を味合わされる修学旅行という苦行事にあって、文化祭以降、周囲の風当たりの強い八幡にもいつも通り普通に接してくれる戸塚やガハマさんの優しさに癒されます。
葉山たちと同じグループに組み込まれてしまい、彼らの後ろについて回るだけの八幡でしたが、訪れた名所名石では薀蓄を披露したりして、つまらない顔して内心では楽しんでる姿にニヤニヤしてしまう。
戸部と海老名さんを取り巻くリア充たちについては、読んでてむしゃくしゃする気持ちを抑えられない。今が大切ならそれでもいい。ただそんなに大切なら、他人に任せずに自分たちでなんとかしろや!
自分たちが傷つきたくないから、代わりに他人に傷ついてもらって、何事もなかったかのように笑顔を取り繕うリア充どもの無神経ぶりに嫌気が差しますね。あんな臆病で卑怯な人間にはなりたくないわ。
しかし、雪ノ下さんは、また空気っすかぁ。ちょびっと出てきては意外に残念な一面を暴露して、意地張って去っていく可哀想なヒロインになってきたな。完璧超人からは随分と遠いところにきたなぁ。
奉仕部のメンバー以外でも、八幡を他とは一目置く存在に見始めている人たちがいて、嬉しかったわ。そして巻末の短編は、本編のストレスを吹き飛ばすめちゃ明るい話で楽しかったです。アニメも楽しみ