一つの大陸の物語<上> ~アリソンとヴィルとリリアとトレイズとメグとセロンとその他~ (電撃文庫) 時雨沢恵一 黒星紅白 アスキー・メディアワークス 2013-03-09 by G-Tools |
アリソンに見送られたトラヴァス少佐は、軍用機に乗り旅立つ。しかし機体はその後、爆発とともにルトニ河へと墜落。一方、リリアの通う第四上級学校では、“謎の転校生”トレイズを巡って新聞部メンバーが校内の大調査を開始する。すると、思いがけず臨時ロッカーで起こっている不審な現象が明らかに。
事件はロッカー室で起きている
一つの大陸を舞台にしたアドベンチャー・ストーリー×ドキドキハラハラワクワクドタバタ学園物語
冒頭でいきなりトラヴァス少佐が出落ちならぬ、出落死してるじゃないですかやだこれふきんしーん。
謎の多い転校生・トレイズの正体をスクープしようと、セロンたち新聞部が身辺調査を進めていくうちに、学園のロッカーに隠された事件に気がついて、思わぬ方向へ転がっていく事態に引きこまれました。
しかしまあ挿絵がリア充だらけで、ライフルで狙撃してやりたくなりますね。おっと誰か来たようだハーイ!
シリーズのカップルの中では、リリアとトレイズの組み合わせが一番好きですね。また会えて嬉しい。
イクス王室の隠し子という国家級のスキャンダルとは知らず、トレイズを追いかける新聞部の野次馬精神ときたら、勘がいいのか悪いのか。ぶっちゃけ、暇を持て余してるだけだろ、学生は勉強しろよ!
取材とは別に、リリアとメグ繋がりで、友好を深めるトレイズとセロンのだらだらとした姿も和みます。
何故かいつも使用中になっている共用ロッカーが犯罪に利用されているのではと、調査を始めると一人の男子生徒が容疑者に浮かび上がってきて、こっそりと尾行しているうちに口封じに命を狙われた彼を偶然助けることになってと、大勢集まって裏でコソコソ暗躍している姿がスパイ映画みたいで楽しい。
予想を超えて凶悪な刺客の存在にビビリましたが、そうとは知らず、間一髪でアシストする殿下グッキル!
トラヴァス少佐の死亡連絡を聞いても、まったく心配してないアリソンがいい。そうかいつものことか。
大人組ほどの信頼関係と比べると、子供組はまだまだですね。別々の事件に思えたトラヴァス少佐の墜落事件と学園で起きた事件が裏で繋がっていきそうで、いったいどんな結末が待っているのかなぁ。下巻が待ち遠しいです。なんかもうこのままオールキャストであと5、6冊書いてくれないかなぁ。