ダフロン

2013年03月04日

インテリぶる推理少女とハメたいせんせい/米倉あきら

4798605697インテリぶる推理少女とハメたいせんせい In terrible silly show, Jawed at hermitlike SENSEI (HJ文庫)
米倉あきら 和遥キナ
ホビージャパン 2013-02-28

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人間は無作為にテキトウに動くのだ、と主張する文芸部顧問になった「せんせい」と、この世の全てが理屈通りに動いている、と信じて疑わない中学生の文学少女「比良坂れい」の2人が孤島を舞台に繰り広げる壮絶な頭脳戦と恋愛模様。

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 根本的なツッコミとして、どうしてHJ文庫大賞に投稿したんだよ。メフィスト賞に送れよ。
 読者層間違えてるよ。ラノベ読みに読ませようとするな、これはミステリ読みに読ませてくださいよ。ミステリ読みなら、また別の評価もされるだろうよ。ラノベ読みが読んでも、これはどう考えても地雷だよ。
 すごいかと訊かれれば、確かにすごい作品ではあるが、面白いかと訊かれると、面白くはないよ。

 女子中学生を偏愛する強姦魔の"せんせい"と、彼に恋をしたミステリ好きの女子中学生・比良坂が、愚にもつかない論理の捻くれた推理合戦(?)を延々と垂れ流すだけで、読んでるのがキツイ。
 登場人物たちは、さも自分が正しいかのようなインテリめいた態度で主張を語ってるけれど、実態は精神を病んだ狂人と恋愛と幻想をこじらせたメンヘラなので、その錯誤が読者の混乱を誘う。

 多分、作者は文章に踊らされる読者を想像してほくそ笑んでるんじゃないか。いや、読者はトリックに踊らされたいんですけど、文章じゃなくてだよ。そもそもこれミステリか? 私はミステリ読みじゃないので、この作品がミステリかどうかはどうでもよいのですが。ラノベとしては疑問を抱かずにはいられない。
 一種の思考実験としてはアリなんだけど、小説として読者に読ませるのは批判を招くでしょうね。

 長いわりに中身の無いセリフ文、前述の全否定、メタ描写の入れ子構造だったり、時系列が頻繁に前後して非常にブレてわかりにくい文章は、作者が故意にやってるのではないかと疑ってしまう。
 ミステリは作者と読者の知恵比べという側面がありますが、どうすれば読者は思考を放棄して文字を追いかけるだけの豚になるか、あるいは途中で本を放り出すかの不戦勝を狙ってないですかね。

 そしてもし最後まで読み切ったとしても、肝心のオチがない。これどうやっても読者が負けるじゃん。
 どんな「どんでん返し」が待ってるかと思えば、そのまんまかよぉ……。プロローグからエピローグまで、アレコレと仮定のIfの話を続けてたのは世間話かよぉ…。この二人、ひたすら面倒くせぇよ……。
 どんなものにも屁理屈はくっつけられる。屁理屈を捏ねる奴にまともな理屈は存在しない。悟ったわー。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | HJ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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