ねじまき博士とガラスの時計 樹川 さとみ 集英社 2007-02 by G-Tools |
【野生少女リーを引き取って、暮らしている天才少年博士アレックス。ある日突然博士のもとに「リーの両親」を名乗るニセモノたちが次々やってくるように。さらに次々に面倒事が飛び込んできて!?】
「ぼくも愛してますよ、このくそじじい!!」
くそじじい、帰る!!
ひねくれ少年博士アレックスと野生少女リーの物語です。
リーとの関係をマスコミにスクープされてしまったアレックス。
さらに屋敷の執事のロレンスの過去や自動人形のジャックの出所までスキャンダラスに書きたてようとする記者たち。
忍耐の限界に達したアレックスは、公式会見を開いて疑惑を晴らすことに。次々と明かされる仰天事実にΣ(゚Д゚;エー!です。
いつも寡黙なロレンスに、そんな数奇な身の上があったとは、
でもまあ過去があるからこそ今が素敵なんだろうなこの人は。
そしてアレックスに迷惑をかけまいと、家出して自分自身を道端に捨ててしまうジャックの姿に無性に悲しくなった。
なんて繊細なカボチャなんだよ、お前は・・・・・・。・゚・(ノд`)・゚・。
ジャックを迎えに行くアレックスが、もう可愛くて、可愛くて。
ジャックは幸せ者ですね。てか、あの口調は作ってたのか!
突如、現代に帰ってきたじじい、ついに判明したリーの家族。
前半は、新たな謎を浮き上げつつ、あとの後半でそれを含めてシリ−ズ全体の謎解きを綺麗にまとめたといった感。
これまで完全に行き詰っていた謎が、スラスラと糸がほどけるように解かれていく最終章はおもわず唸りました。
リーとアレックスを見守る人々も賑やかでいい人ばかりで、
いやぁ、家族って温かいなぁと思える最終巻でした。
完結といわず、もう少し続けて欲しかったのに残念です。
ヒロインよりも、ツンデレ博士かわいいー!と、つい叫んでしまうようなドタバタメルヘン。気分がささくれてるときに、小さな笑いを届けてくれる一品です。