![]() | レンズと悪魔 2 (2) 六塚 光 角川書店 2007-01 by G-Tools |
【魔神とその相棒が競う<八眼争覇>への参加を決意したエルバ。その武術の師匠が連続殺人鬼に惨殺され、その死体の片目が奪われていた。これはまだ見ぬ敵からの宣戦布告か!?】
悪魔的な怒涛の新展開!
レンズで悪魔を喚ぶ悪魔召喚士たちのバトルロワイヤル。
街で起きている連続殺人事件の捜査を依頼されたテッキ、
事件を追ううちに、それが<八眼争覇>の参加者をおびき出すための新たな魔神契約者からのメッセージだと見抜く。
その正体が、エルバ個人に恨みをもつ者の仕業と判明し、
エルバは相手からの決闘へと挑む、といったあらすじ。
期待してたほどギャグはないのに、普通に面白くて困る。
エルバの直情径行が必ずしも無謀に向かっていくだけでなくて、引くこともあれば、相手にビビって塞ぎこんでルナに励まされてしまうような、いかにも未熟っぽいところがいいですね。
ってか、落ち込む主人公を焚きつけるのは、古今東西ヒロインの役目だというのに、テッキとファルナは動かなかったな。
三角関係なのは明らかなのに、ドロドロと煮えてこなかった。
むしろサクラルートが急浮上してそれもいいかと思い始めた。
一族の復讐を望む同胞に、今を犠牲にしていることを訴えて
さり気なく一緒にいるエルバも否定しちゃってるわけですが、
エルバには何か通じていたようで、ここから彼の戦う目的が少しずつ変化していく予兆を感じられますね。
そしてノーカウントになったという前回の大会の経緯、
テッキの父親が亡くなった10年前のオーラン族の虐殺やら、
銀髪の青年の登場で政治的な思惑まで介入してくるし、
単純なバトロワ物かと見くびってたら、設定がどんどん複雑化して、気づけば目が離せなくなっていました。
前巻のテンポでよくぞここまで展開を広げたものだと関心。
肝心の戦闘シーンですが、幻影の魔神ベルの能力がやたら強くてゲームのバランス性が若干破綻しかけてるような。
ボル&テッキペアだったら勝ち目ないだろアレ。
もしテッキが悪魔召喚したら、サポートも無用になるわけで、
そうなると他の魔神に比べ、ボルの弱さはいったい・・・。
後からきたマロが、ルナには挨拶してるのにボルはスルーなのにちょとワロタ。