ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫) 三上延 アスキー・メディアワークス 2013-02-22 by G-Tools |
珍しい古書に関係する、特別な相談――謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。その古い家には驚くべきものが待っていた。稀代の探偵、推理小説作家江戸川乱歩の膨大なコレクション。それを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいと持ち主は言う。
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美しき女店主と無骨な青年店員が古書にまつわる謎を解いていくビブリオミステリ。
黒髪ロングで巨乳の栞子さんの存在に、安定感を感じる。やはり本物は深みが違うんだよねぇ。
本絡みの相談を持ちかけられた栞子と大輔が、江戸川乱歩に纏わるその依頼を受けていく過程で、栞子の母親・智恵子と遭遇し、因縁の親子の推理勝負へとシフトしていく展開に引きこまれました。
娘と母親が出会っただけなのに、うん、なんだろうね……この鳥肌が立つような緊迫感!
大輔がビブリア古書堂に勤め始めてもうすぐで一年を迎え、栞子さんに自分の気持ちが伝わっているのではないかと考える大輔ですが、恋愛事に鈍感な栞子さん相手に空回りする姿が初々しいなぁ。
古書関連の知識や頭脳面は栞子さんが受け持ち、彼女に足りない対人スキルや肉体面を大輔が補って、二人で助け合って仕事している姿はとても相性のいい、お似合いのカップルだと思うんですよねぇ。
江戸川乱歩を愛していた故人の足跡を調べていく内に、実の家族も知らなかった素顔を明らかにして、家族の絆や、幼馴染の人間関係を修復していく栞子さんの謎解きがとても素敵でした。
栞子さんと比べると、母親の智恵子の推理は、自分の利益や興味本位でしかなくて、不吉な結果がまざまざと予想できるだけに、なんとか母親より先に謎を解いて欲しいと願わずにはいられなかったなぁ。
ただ先に謎を解けばいいという単純な推理勝負ではなく、相手の考えを読んで、先手先手を打って重要なヒントを奪い合う親子の駆け引きは、優勢劣勢が二転三転して読んでいるこちらも翻弄されたなぁ。
ほんのタッチの差で真実に辿りつけた栞子さんですが、母親との確執は拗れたままだし、騒動を振りまくだけ振りまいて去っていったなぁ。と、思いきや最後の最後で告白キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!