ダフロン

2013年02月26日

甘城ブリリアントパーク 1/賀東招二

4829138289甘城ブリリアントパーク1 (角川ファンタジア文庫)
賀東 招二 なかじま ゆか
富士見書房 2013-02-20

by G-Tools

謎の美少女転校生・千斗いすずが、可児江西也をデートに誘ってきた。転校初日から校内で噂になるほどの女の子に誘われるというのは、悪くない構図だ。ただし―、こめかみにマスケット銃を突きつけられてなければ、の話だが。しぶしぶ承知して向かった先はダメなデートスポットとして名高い遊園地だった。

 ようこそ! 夢の国へ!

 俺様気質の主人公が閉園寸前のオンボロ遊園地を再生させるエンターテイメントストーリー。

 お姫様マジお姫様。夢の国の実情は夢がねぇ、けれど可愛い女の子を救うロマンがあった。
 美少女転校生・千斗いずずに脅迫され、遊園地『甘城ブリリアントパーク』の支配人になった主人公・可児江西也が、あの手この手で客を呼んで遊園地に活気を取り戻していく光景が微笑ましかったです。
 俺様な西也とクールないすずを始めとした甘ブリの従業員たちのコミカルな掛け合いが面白かった。

 古臭くて安っぽい残念系遊園地『甘城ブリリアントパーク』のスタッフは、実は魔法の国の本物の妖精や動物たちで、そのくせどいつもこいつもやけに俗っぽくて人間臭いキャラがユーモラスでした。
 存続の危機に陥った遊園地を救うため、『神託』によって支配人に選ばれた西也は、彼らとは何の関係も義理もないが、何故か見過ごせなくて、そんな俺様キャラに似合わないお人好しぶりがニヤニヤ。

 スタッフたちの尻を叩き、あざとい手段も駆使して強引にでもお客を増やしていくうちに、無気力だったスタッフたちも徐々に演出に対するモチベーションが変化して、訪れた人々を楽しませたいと本気で思うようになり、そんな雰囲気がお客様にも伝わって、良い循環を生み出していく光景が、まさに遊園地の理想を実現してて、毎日がガムシャラで、お祭り騒ぎのような労働風景がこころ温まりました。

 どんなに期待されても、優秀でも、普通の人間である西也にも限界があって、彼の起こした『奇跡』の真実はとても汚いものだったけど、一人の女の子を守るためならそれも仕方がないのかなぁ……。
 今度また同じ事が起きたときには、もっと別の方法が取れるように願いたいですね。このシリーズはコメディとして展開していくそうなので、次回はもっとラブ寄せでいったらどうだろうか、なんて期待。

posted by 愛咲優詩 at 03:54| Comment(0) | TrackBack(1) | 富士見ファンタジア文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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