![]() | 声で魅せてよベイビー 木本 雅彦 ヤス エンターブレイン 2007-01-29 by G-Tools |
【“孤高のハッカー”を名乗る高校生・広野の前に自称“腐女子”の声優志望少女・沙奈歌が現われ、しかも広野は、成り行きで彼女の恋の“エチュード”の相手をすることに!】
「沙奈歌の声が好きだ。沙奈歌の笑う声が好きだ。沙奈歌の怒る声が好きだ。沙奈歌の声の全部が好きだ」
ちょwww声だけかよ!www
BL好きの腐女子とハッカー少年の一風変わったラブコメディ
孤高のハッカーを目指す広野は、実力不足に悩む沙奈歌の提案してきたエチュード(恋人ごっこ)の相手を引き受ける。
そうして付き合っていくうちに次第に沙奈歌に惹かれていく。
口下手な広野が沙奈歌のためにみせる行動力がいいです。
主人公が恋愛に不器用なイタいオタク野郎かと思えば、
主義主張や行動に一本筋が通った男らしい奴でした。
自分だけのリズムを刻んで、孤独を気取っていたのが、彼女の声に魅せられて、自分の立ち位置がぐらついていく様子は、まさに初恋に戸惑う青少年そのものですね。
これでウジウジ悩むネクラな奴だったら鬱陶しいが、葛藤する姿もどこかクールというか、妙に冷静で変な奴だな君は!
仲間に囲まれて、居心地のいい場所に落ち着きたいという沙奈歌の気持ちもわかるが、流されてるようで気に食わない。
広野にとっても途中で弱気になって逃げ出すようなマネは許せなからこそ沙奈歌を引き止める言葉にも真剣味が出ます。
嫌われるのも覚悟で相手のために言うべきことをハッキリ言える広野は本当に勇気のある男だったと思う。
沙奈歌が戻った後の本番の出来こそボロボロだったけれど、
役者たちの一生懸命な想いの伝わるいい舞台でした。
ラストで広野と沙奈歌が再び二人で歩きはじめて気づくこと
「二人で手を繋いでグルグル回った中心に恋ってのは隠されている」。なんともロマンチックで不思議なフレーズです。
読後感が甘々なのか淡々としてるのか奇妙な感覚。
黒玉の存在が謎でしたが、まあ話の流れを潤滑にするガジェットとみればそんな気になるもんでもないかな。
危惧していたPC用語の連発も常識の範疇で・・・、えっと、カーネルとか、タイムシェアリングとか常識ですよねALL?
ハッカーと腐女子の恋愛ってのがハマりました。必見。