ダフロン

2013年02月12日

明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。/藤まる

4048913298明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 (電撃文庫)
藤まる H2SO4
アスキー・メディアワークス 2013-02-09

by G-Tools

生まれつきの恐い顔のせいで、学校で浮きまくっている坂本秋月はある夜、一人の少女の事故現場に遭遇し、謎の人物から究極の選択を迫られる…。秋月は寿命と引き換えに少女“夢前光”を救った、はずだったのだが…なぜか秋月の体は1日おきに光の人格に乗っ取られるというおかしな展開に―!

 俺たちは二人で一人のヒーロー

 一人の肉体に二人の魂を宿した少年が繰り広げる人格乗っ取られ型青春ストーリー

 笑わせて、泣かせて、最後には笑わせて、すっきり爽快な清々しい成長物語でした。
 事故で死んだ少女・夢前光と一日ごとに人格が入れ替わるようになってしまった主人公・秋月の学園生活が、お節介な彼女の暴走で一変してバラ色の青春ライフに変わっていく光景が愉快痛快でした。
 亡くなった少女を巡って奔走する残念男たちの盛大な空回りっぷりも切なさと、笑いを誘いますね。

 正義のヒーローに憧れる夢前光の変人ぶりと、それに振り回される秋月のニ心同体コンビが滑稽。
 人格が入れ替わる度に事件を起こす夢前光の奇矯な言動のせいで、女好きの変態と噂されるようになったり、全身タイツの覆面ヒーローをやらされたり、これまでの孤高の不良のイメージをぶち壊す善行三昧を経て、女の子に惚れられたり、クラスの人気者になっていく秋月の境遇がニヤリとさせられます。

 自分の生活を良きにしろ悪きにしろ変えてくれた夢前光に、次第に感謝と仄かな恋心と抱くようになって、自分を好きだと言ってくれるクラスメイトをフってしまう秋月の不器用な恋愛模様がもどかしいです。
 生前の夢前光のことを調べていくうちに、彼女の死に影響を受けた一人の少年の存在が浮かび上がり、彼を救うために夢前光から偽りのない真実を引き出す展開は胸が苦しくて息が詰まりました。

 てっきりヘヴィな話かと思えば、いやー笑撃のオチだったなー(棒) なんてしょーもない死因だよ!
 まあ暗く鬱々するよりも、脱力で気を抜けさせるほうがこの作品にはあってるのかもしれませんね。
 しかし、人づてか、交換日記を会しての伝聞でしか夢前光のキャラが見えなくて理解しにくい。それと生身の女の子よりも人格だけの女の子を好きになるかなぁというのがちょっと共感しにくかったかも。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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