ダフロン

2013年02月10日

アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム/茜屋まつり

4048913328アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム (電撃文庫)
茜屋まつり 蒲焼鰻
アスキー・メディアワークス 2013-02-09

by G-Tools

わたしの名前はミスター・マグナム。偉大なる魔女によって生み出された魔法の銃だ。最悪の魔女《ゾォード》により引き起こされた災厄により相棒を失ったわたしは、不思議な運命により過去の世界で意識を取り戻す。

 世界を我が手に、未来を撃ち抜け

 魔法の銃を手にしたおてんばアホ娘が世界を救うために立ち上がるマジック・ガンアクション。

 西部劇、タイムリープ、ファンタジーが融合した、作者のチャレンジ精神が感じられる意欲作ですね。
 伝説の女ガン・ファイター<ライトニング・ワイルド>の愛銃・ミスターマグナムが、過去の世界へと戻り、おてんばアホ娘のアリスと出会い、災厄の魔女ゾォードの陰謀から救えなかった世界を救うために、アリスとその仲間たちと西部の各地を奔走して繰り広げるドタバタアクション珍道中が面白かったです。

 主人公のミスターが高い知性を持って喋る魔法の銃というのがユニークでした。ごく普通の田舎娘アリスに拾われ、アホとしか言いようがない彼女の無計画、無分別、無茶無謀に付き合わされているうちに、自分が過去の世界へと遡っていて、そのアリスこそがかつての主人その人の少女時代だと気づいて、頼りない彼女をガンマンに鍛えながら、未来をより良く変えるために動き出す展開にワクワクしました。

 ミスターの冴え渡る戦術眼と、アホ娘のアリスの突拍子も無い行動が組み合わさって、西部の街のあちこちで歴史を変える騒動や革命が起きて、正義の英雄として名声を得ていく光景が笑いを誘います。
 復讐の末に身を滅ぼしてしまったかつてのアリスと、暗い感情を知らず天真爛漫ないまのアリスを比べて、いまのアリスを主として認めていくミスターがツンデレで萌えました。なんというガンデレ。

 しかし、時間移動したミスターが都合よくアリスに掘り出されたり、この展開を仕組んだホークアイが何故か秘密を隠していたりするのが謎でした。≪聖鳥≫の弾が必要なら、必要って教えておけよ!
 さて、この作者さん、新人かと思いきや実は執筆歴が相当長いベテランのようですね。道理で文章表現が小慣れていると思った。作家としてもリローデットしたこの作者、次はどんな作品を読ませてくれるのか。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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