私と月につきあって 野尻 抱介 富士見書房 2007-01 by G-Tools |
【フランスの美少女宇宙飛行士アリアンガールズの月面着陸ミッションのサポートを依頼されたゆかりたち。だが、現地に着いて早々アリアンのリーダー・ソランジュと衝突してしまい・・・】
「這ってでも行こう。月へ」
女子高生、月に立つ!
女子高生宇宙飛行士のドタバタ奮闘記。
今回の彼女たちの任務は、日仏共同の月面着陸ミッション。
しかし姉御肌のゆかりとアリアンのリーダー・ソランジュは、
お互いそりが合わずに早くもチームワークに不安の影が。
そしてお約束のトラブルはどこまでもついてまわる。
困難に直面したとき、女子高生パワーが燃え上がります。
仲間が困っていたり、助けを必要としているとき。
誰かに頼られてこそ、自分の能力を最大限に発揮するゆかりのリーダーとしての資質が光ります。
一人、また一人と欠けていくアリアンのメンバーに、計画続行を諦めかけるソランジュに叩きつける啖呵がカコイイ!!
ソランジュは茜と同じで、いろいろと考えすぎるんでしょうね。
慎重で周囲をよく見てるから様々なものが気になってしまう。
反面、ゆかりは真っ直ぐに前だけしか見ない。
周りへの注意は仲間に任せて、そして誰よりも前を先に歩く。
すべてを一人でこなそうとしたのが間違いで、ソランジュはリーダーとして信頼を預ける勇気が欠けていんだと思います。
度重なるアクシデントに計画中止を叫んでいた地上班も、
もう後に引けないとなってからは、全員一丸となって彼女たちを月に送ってやろうという空気に変わっていくのがよかった。
やはり本心ではリスクを背負ってでも続けたかったんでしょう
この話のロケット開発に携わる中年たちは、どこか夢とロマンに生きている少年っぽいところがあって好きだお前ら。
旧版では最終巻だったこの3巻目ですが、続かないかな?
派手なドンパチはないけど、堅実なストーリー展開が手堅いSFなんですよね。ヘタにオーバーテクノロジーを持ってこられるよりよっぽど燃えます。正統派SFの名作の中の名作でした。