ダフロン

2013年02月02日

サイハテの救世主 PAPERII 黄金火山と幸福の少女/岩井恭平

4041005825サイハテの救世主 PAPERII:黄金火山と幸福の少女 (角川スニーカー文庫)
岩井 恭平 Bou
角川書店(角川グループパブリッシング) 2013-01-31

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元天才少年である沙藤葉にきた依頼は、引きこもりを外に出すこと!? そんな簡単なことをするのかと絶望していたら、天才時代に作成した災厄論文『黄金火山』が噴火の兆候を見せたため、海底基地に向かうことになり!

 孤独な女王の存在意義

 堕ちた天才とそれを取り巻くフレンドリーな沖縄民たちが遭遇する世界崩壊サスペンスアクション。

 天才だからと葉に責任を押し付けて、すべてを放り投げる無能政治家たちがゲスい!
 かつて予言した災厄論文のひとつ、『黄金火山』が噴火の予兆を見せたため、各国の政府首脳に海底基地へと呼び寄せられ、命がけで人類を救うことを強制される葉の姿が哀れで胸が痛みました。
 海底深くの箱庭で暮らすお姫様と葉の、世界を巻き込んだ壮絶なラブロマンスに身震いします。

 人付き合いが下手で偏屈な葉ですが、頼まれたことは断らないところとか、変なところでプライドが高いんだから面倒くさい性格ですねぇ。天才でなくなったのだから、のんびり隠居して暮らせばいいのに。
 そんな彼の願いとは裏腹に、海底火山の噴火が迫り、北海に強制連行されて無理難題を押し付けられて、騒がしくてこれではゆっくりメンタルケアをしてる暇もないですね。そりゃ天才も故障するわ。

 天才だから自分たちとは違うのだ、世界を救う使命があるのだ、そうでなければ生きている価値がないとまで言い切って、危険地帯に葉を置き去りにして自分たちだけ逃げていく人々の姿が胸クソ悪くなります。
 世界を救うために過去の葉がアンジェリンにしてしまった過ちは、彼女の身体を弄ったことではなくて、彼女をひとり海底に置き去りにしてしまったことだと思うんですよね。これでは他人を非難できないかも。

 アンジェリンを畏れて腫れ物扱いした政治家たちも、それが彼女の孤独感を増長させて今回の騒動の引き金となったのだと何故わからないのかな。お互いにもっと理解し合い、愛情を向け合う信頼関係を築くべきだった。
 そんな簡単で当たり前の解決法に気付かなかった過去の葉は、やはり"頭のいいバカ"だったんだろうなぁ。今回の危機は、人間の感情をないがしろにした愚か者たちへの天罰のように思いました。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 角川スニーカー文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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