![]() | 蒼柩のラピスラズリ2 (MF文庫J) あさのハジメ 菊池政治 メディアファクトリー 2013-01-24 by G-Tools |
魔女の血を分け与えられた九十九のアンティーク――《魔女の遺産(ウィッチクラフト)》を蒐集していた。そんなある日、ウィッチクラフトを巡る三大勢力の一角、霧谷家新当主・霧谷七海に突如屋敷へと呼ばれた。七海は同盟を結ぶこと、さらには両家の人間でのお見合いを提案してきた!
深紅の革命前夜
九十九の魔女の遺産の蒐集と封印に挑む少年と少女たちが織りなす学園異能バトルアクション
久しぶりの男装執事だー! しかもズボンだけ履かないえっちぃ奴だー! マニアックとか今更言うな!w
辻嶺家と遺産を巡る宿敵・霧谷家との同盟の条件として、遺産No2<紅棺>こと霧谷七海から求婚された主人公・冬夜が、彼女の真意を探りつつ、絡み合っていく人々の思惑と因縁とが興味深かったです。
相変わらず、お気楽なラブコメだなぁと思いきや、徐々に狂気を垣間見せてくる展開にガクブルでした。
ラピスラズリも学園生活にも馴染みはじめ、遺産集めもチームワークが組めるようになり、万事順調に思えた冬夜たちですが、そこへ一石を投じる七海の爆弾発言が嵐を巻き起こして愉快でした。
最強の遺産を持つセツナを倒すための同盟を組もうと言い出す彼女ですが、本当の狙いがどこにあるのか、探りをいれるつもりがマイペースな七海に振り回される冬夜の醜態ぶりが可笑しいです。
ストレートな愛の告白をして以降、冬夜に積極的に迫る七海に対して、それぞれ焦り出す真由香やラピスラズリの動転ぶりや奇行ぶりもたっぷりニヤニヤさせていただきました。修羅場オイシイデス!
同盟を組むのか結論が出ないまま、セツナと遭遇して、なし崩しに戦闘に入ってしまい、激しく憎悪と怨恨を向け合うセツナと霧谷家との因縁の根深さに慄きますね。比べると冬夜はまだ力が足りてない。
平和的な解決策を模索して、その場を収めようとするものの、両者の問題には部外者であるだけに、何も出来ぬまま死闘を傍観することしかできない冬夜の身がもどかしいなぁ。
七海も本当は家族が恋しいだけの可哀想な女の子なんじゃないのかなと思っていたら、最後最後で歪んだ家族愛を見せてゾッとしますね。これでは冬夜たちとは相容れないわ。戦いの行方が気になる。