魔女狩り探偵春夏秋冬セツナ (集英社スーパーダッシュ文庫) 赤月黎 しろくじら 集英社 2012-12-21 by G-Tools |
君といれば、僕は魂を取り戻すことができる古き善き魔女の末裔による魔女狩りは、日夜悪しき魔女との戦いだった。魔女に殺され奪われた魂を取り戻すため、姫崎クオンは魔女狩り探偵春夏秋冬セツナのパートナーとして魔女犯罪に立ち向かう!
魔法の謎を解き明かせ
悪しき魔女に魂を奪われ魔女狩りの魔女の下僕となった少年の学園オカルトクライムミステリー。
この作品の中で、一番可愛いキャラって、ひょっとしたら主人公なんじゃね感が、ぱないの!
悪しき魔女に魂を奪われ、死にかけていたところを魔女狩りの魔女セツナに救われ、対価として彼女の下僕となった主人公・クオンが、学園で起こる殺人事件に関わっていく展開が興味深かったです。
魔法ありの殺人トリックの謎解きが面白かった。魔女たちもそれぞれ個性豊かでいいキャラしてる。
悪しき魔女に半殺しにされ、ワガママで傍若無人な魔女狩りの魔女セツナの下僕となったクオンですが、生活能力ゼロのつるぺた幼女のお世話したり、おんぶ抱っこして運んだり、ご褒美としか思えない。
魔法を使うには、自分の魂か他人の魂を悪魔に捧げなければならないため、魂目当ての殺人事件が頻発するんですが、犯人探しに加え、魔女狩りの魔女同士での競争という面もあって捜査に熱が入る。
他の魔女狩りの魔女と協力したり、情報交換をしたりして捜査を進め、犯人を絞り込んでいくうちにも、第二、第三の事件が立て続けに起きて、容疑者の目星が錯綜していくミスリードにも惑わされる。
探偵助手としてセツナのかわりに聞き込みや肉体労働で動きまわるクオンですが、シリアスであるべき捜査の合間にも、おもちゃのように弄ばれる光景が可笑しい。いじられキャラはオイシイよなー。
トリックや使われた魔法そのものは、遺体を見た途端一目瞭然だったんですが、最後の犯人の動機までは読み切れなかった。被害者と加害者の間の言葉では伝わらない想いのすれ違いが切なかった。
クオンが死にかけた魔女事件の謎や、記憶が失われる前のクオンがどういう立場の人間だったのかについて、未だに解かれないままになっているミステリーは、今後のシリーズの注目ポイントですね。