お願いだから、あと五分! (MF文庫J) 境京亮 きみしま青 メディアファクトリー 2012-12-21 by G-Tools |
内藤優一が図書室で出会った謎の美少女・木枕コトハ。彼女は眠っている間だけ予知能力が使える超能力者だった。コトハは、大企業・羽島グループでアルバイトをしているらしい。「私は眠れる超能力者! 君はその相棒。だから私が眠っている間、君は私のそばにいなくちゃいけないの! 」
眠り姫の夢見る願い
眠れる超能力者の少女の専用枕になった少年の学園異能ラブコメディ。
女の子の寝顔って無防備でエロいですよねぇ。僕も女の子の枕になってお金をもらう仕事したい。
常に無表情ゆえに周囲から「死者の顔」と呼ばれている主人公・優一が、眠れる超能力者・コトハと出会い、大企業の裏の部署で働く彼女の相棒となって、次第に絆を深めていく姿が微笑ましかった。
超能力者だからこそ普通の世界にはいられない、超能力者の悲哀がしみじみ伝わってきました。
明るくて、積極的で、ちょっと乙女チックなコトハの裏表のない女の子らしさにキュン死しますわ。
強い縁で魂が結ばれている「ソウルメイト」の優一には人一倍フレンドリーで、表情の変わらない奇妙な体質の優一だけど、中身は普通の高校生らしく、コトハに内心ときめている姿が初々しい。
お互いにどこかぎこちないものの、信頼がしっかり裏にあって、バカップルっぷりに惚気られました。
それぞれの企業が超能力者を抱えてて、社会のパワーバランスを操っているという世界観がリアル。
直接的な干渉をしなくとも望む未来を誘導できるのなら、コトハの予知能力は万能でしょうね。
でも、世の中には悪いことだと分かっていても、事情があって犯罪に手を染めるしかない超能力者もいて、自分たちの利益のためだけではなく、苦しんでる誰かのために動いた優一とコトハが素晴らしい。
無表情な優一が、超能力者相手に見せたトリッキーな戦いぶりは意外性があって可笑しかったです。
ただ「ソウルメイト」をそこまで必要としてるのかイマイチわからないかな。それに超能力者同士で決着をつけようという流れが、強引な気がして、戦わんでも話し合いで問題解決できるだろ感を抱いた。
蛇足だけど、コトハが一人勝ち過ぎて……もっと三角関係の修羅場展開が欲しかった。