星とハチミツの存在証明(テスタメント) (このライトノベルがすごい!文庫) 藤八 景 よー 宝島社 2013-01-10 by G-Tools |
一番星光世は、ヒーローだった母を失った。それから11年、平穏な高校生活を送っていた彼の前に、非日常は何の前触れもなく訪れる。異形の襲撃者から光世を救った、蜂蜜色の髪の少女が差し伸べた手。それは、存在の力“ザイ"をめぐる、証明者と修正者との終わりなき戦いへの扉だった――!
正義に輝く一番星
存在の力"ザイ"をめぐる、証明者と修正者との戦いを描いた王道学園バトルストーリー。
すげー超人バトル漫画感。キャラクターがトチ狂ってぶっ飛んでるけれど、実に王道バトルものでした。
他人の存在の力"ザイ"を奪う怪人「修正者」と、それと戦う「証明者」との戦いに巻き込まれた主人公・光世が、「修正者」と「証明者」の共存できる世界を目指して奔走する姿が格好良かったです。
今回も編集部から献本いただきました。ありがとうございます。っていうか、早いな! 年末だからか。
存在感の強い者ほど、強力な存在の力"ザイ"を持つために、敵も味方も見た目からして自己主張の激しい強烈な個性のキャラクターが揃っていて、どいつもこいつもアクが強いの印象的でした。
主人公の光世は外見は派手なんだけど、中身はそれなりの常識人で、変わり者だらけの友人たちに振り回されつつ、次第にグループの中心となって仲間との絆を結ぶ役割になっていくのがよかった。
「証明者」として戦っていくうちに敵である「修正者」側の境遇を聞いて、「証明者」が「修正者」を滅ぼそうと戦いを挑んでくるからこそ、相手も"ザイ"を奪って強化せざるを得ないという事実に気がつき、そうした負の連鎖を断ち切るために、「証明者」と「修正者」の戦いを止めようと理想論を訴える光世は、戦士としては甘いんだけれど、ヒーローとしては正しくて、その如何にもなジャスティス論理が若々しくていいね。
ストーリーが進んでいくうちに、敵と味方で悪と正義が入れ替わるのはお約束展開だとは思ったけど、単純な勧善懲悪にならずに、「正義とは何か」を訴えかけてて、言ってみれば少年漫画のノリでした。
戦闘シーンが厚くて熱いのはいいんだけれど、ヒロインと同居生活してるんだし、もうちょっと女王様と下僕の関係から進展して、恋愛要素があっても良かったような。次回はその辺りのテコ入れが欲しい。