蟲と眼球(めだま)と白雪姫 日日日 メディアファクトリー 2006-12 by G-Tools |
【鈴音を助けだそうと、グリコたちは街に溢れ出すバケモノの中を奔走する。本当の幸せを取り戻すための戦いがついに終結!不器用な優しさを秘めた人間たちの物語、最終巻】
生きてるってなんだろうっ!?
悪魔の少女と神様の少女のブラックファンタジー、完結です。
神様としての魂に目覚め、赤い光で世界を崩壊させつつある鈴音を止めるため、グリコ、愚龍、殺菌消毒、御貴たちは、それぞれの生まれてきた理由、それまでの自分を振りかえる。
世界の中心で「生きてるって、幸せ!」と叫ぶ大団円(?)
竜ゑが可愛くて可愛くて、最後まで御貴と幸せそうだったから十分満足、あとはもういいよとか本音を言っておく。
だって、一応、鈴音とグリコと愚龍の三角関係に決着が着くわけですが、鈴音と愚龍なんて2巻以降さっぱり出てないじゃありませんか、感情移入しようにもキャラを忘れてたよ正直。
愚龍は最初からぜんぜん変わらんまま、教え子に手出してなおかつディープな依存症にハマってるヤバイ人だったなぁ。
「うさりん閣下LOVE」台詞だけで説得して世界を救っちまうのも、これぞバカップルって、オメデタ加減が素晴しいが・・・。
メイン格の三人より、脇役たちが美味しかったと思います。
己の最大幸福のために神に成り代わろうとする『最弱』と、
ちっぽけでも誰かと共有できる幸せを求める、変人アパートの人々の対比が印象的です。生きてるって当たり前だけれど、確かにそれだけで叫びたくなるほど幸せなことですよね。
実際、殺菌消毒、不快逆流、一人部屋、破局、涙歌、最弱、
こいつらを描いたエピがこのシリーズの魅力でありました。
結末こそ私的に好きになれないオチパターンだったものの、
まあ綺麗事を好きなだけ叫んで、予想よりも救いのあるエンディングだったので、案外、気分よく読み終えられた方かな。
コミック版も好調の最中、日日日作品初の完結ということですが、そろそろ『狂乱』の方も締めに入ってくれないかなぁ。
『アンダカ』以外、もうマンネリで惰性なんですよぶっちゃけ。
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どうせ個人的な批評なので、あくまでも主観ですが、ご参考になっていれば幸いです。